42話 ア・バオア・クーの戦いA 3.13
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
Zのカミーユがそれを遮った。
「アムロ中佐。今はそれどころじゃない」
「何故だ!カミーユ」
アムロは激高した。カミーユは一息付き話し始めた。
「貴方が選び歩んできたその道はその貴方でありながら貴方を超えた貴方が選んだ。それがこの結果だ。これを覆す、バランスを戻すには意識して大それたことを実行する他ない」
アムロは困惑した。カミーユは自分が2度目の生を受けて生きていることを知っているような口ぶりだったからだ。
「カミーユ。お前は・・・」
「正直貴方のことは知りません。事実、目の前で起こりえない事が起きている。それだけで十分でしょ」
「だが、これが・・・オレが何かをしたせいなのか・・・」
そこでシロッコが口を開く。
「ふむ。・・・私なりに7年前からの戦争をシュミレートしてみたのだ。まず、アムロ。お前の緒戦の戦績が異常すぎる」
「!」
アムロは苦虫を潰したような顔をした。確かに自分でも戦いを経験しているものならば認識がいくことだ。
「そこが私においても全てのきっかけだったかもしれない。たかが15歳のメカマニアの少年があの赤い彗星を手玉に取るような戦いなど・・・。あってはならない」
アムロは黙って聞いていた。
「バタフライエフェクトは知っているか?」
シロッコがアムロに問う。アムロは深呼吸をして答えた。
「ああ。カオス理論だな」
「そうだ。私は何もア・バオア・クーを地球に落とすなどどうでもいいのだ」
「ならなぜ!」
「事象の地平に立ち向かうには在り得ないこと、馬鹿げたこと、それ以上の無意味で無価値で無責任なことをすることで私はアムロという1個人の異物に立ち向かうことにした」
アムロは呆けていた。シロッコは続けた。
「勿論、世界の異物は君だけとは考えておらんよ。何か作用しているものはまだあると思っている。私の行動が皆、何故、何のためなど考えたりするだろう。理由は真実は何もない。動機は先言った通りだ。理由なき争いこそ、均衡を保つために必要だと考えた」
アムロはシロッコの今までの行動を暫し考えた。簡易的に言えばシロッコは自分らにとっては悪事を働き、自分らは善行を積んできたつもりでいた。と考えた時にハッと我に返り、たじろいだ。
「ま・・・まさか・・・」
シロッコはアムロが気づいたことに笑みを浮かべた。
「お前らは世界がより良くなったと思っていただろう。私がそのように誘引していったとしたらどう思う?」
アムロは唇をかんでいた。
「だが、そんな単純なことではなかった。サイコミュという技術が拍車をかけた」
シロッコの話にアムロは疑問を呈した。
「何故サイコミュが?」
シロッコはカミーユへ話した仮説
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ