暁 〜小説投稿サイト〜
俺たちで文豪ストレイドッグスやってみた。
第7話「正面突破」
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
うな一連の展開についていけないのか。絵里は目を瞬かせると、

「あの……本当にこれでいいんでしょうか……」

 隣に立っていた達也に問うた。彼女としてはもっと厳しく、厄介な展開を予想していたのだろう。あまりにもあっけなくビルへの侵入が達成されそうなため、困惑しているのだ。
 達也もしかめっ面で眉間に指を当てるが、暫くすると諦めたような顔で答える。

「……もうここまでくると完全に健さんのテンションに左右されますから……仕方ないです……」
「そ、そんなぁ」
「二人とも置いて行かれるぞ。健さん、暴れる気満々みたいだからな」

 兵児がそう言い残し、先行した健とかずのこを追って突入したのを皮切りにして。

 ??いよいよ、決戦が始まろうとしている。


 ***


「なんだ貴様ら! どこから入ってき……」
「うっさいよ!」
「なっ……あんたは……ぐはぁっ!」

 右の頬に鋭い右フックがさく裂。スーツに身を包んだマフィアの雑兵が吹っ飛ばされる。三メートルほど飛翔した彼は、地面に二度、三度と打ち付けられ、やがてぴくぴくと痙攣して動かなくなった。息はしているので死んではいないらしい。大したケガもない……様に見える。が、どう見ても再起は不能である。

「わー、すごーい! 健さんは素手で人を吹っ飛ばせるフレンズなんだね! つよーい!」
「うわぁ……あれ本当に異能無しで殴ってんの?」
「哀れすぎる……セリフ全部言わせてもらえないうちに退場とか哀れすぎる……」
「え……えぇ……?」

 素手で大の男一人をダウンさせた健に、メンバーたちが各々の感想を漏らす。ちなみに上から順にかずのこ、達也、兵児、絵里であった。

「ふっ……その昔救世主(メシア)はおっしゃられた……『右の頬をぶたれたら、左の頬も差し出しなさい』、とね……とゆーわけで、さっ、次の人どうぞー。左の頬をぶつから」
「いやそれそういう意味じゃないでしょ」

 無表情でそう突っ込みを入れると、兵児もまた拳を構える。その両腕には青いガントレットが装着され。どこか変身ヒーローめいた雰囲気を感じさせた。彼の持つ異能から召喚されたカードの一種である。

 まるで兵隊アリの如し。次から次へとマフィアの構成員たちが湧いてくる。この一階で何としてでも食い止めるつもりなのだろう。向こうも異能者を多く抱えている、こちらが並の人間なら、なるほど、この階層で駆逐されていただろう。
 しかし今戦っているのは、ただの異能者ではない。現代に生きる、『一級の異能者』達だ。戦闘能力にも事欠かない。

「それそれそれそれぇッ?」
「そら、追撃だ! 破滅のフォトン・ストリーム?」

 健と兵児の拳が兵士たちを打ち砕き、そして兵児の呼んだ星の龍が、突破口を切り開いていく。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ