暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
二人は順調

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設定したところで、眉をハの字にした。

「ん?」
「……」

 画面を覗き込む。14ポイントに設定された本文は、行間が開いてとんでもないことになっていた。はがき一枚分では収まらず、二枚目に突入してしまっている。

「あー……それな。14ポイントで行間が一気に開くんだよな」
「そういやタイピング練習の時も14ポイントでやってたね。あの時は『隙間が開いて見やすくていいわー』て思ってたけど……どうすりゃいいの?」
「方法としては、フォントサイズを12ポイントにするか、隙間を詰めるかのどっちかだな」
「隙間ってどうやって詰めるの?」
「『段落グループ』のとこにちっちゃい四角マークみたいなのがあるだろ?」
「どこ?」

 本文がちゃんと選択されてることを確認したうえで、俺は胸ポケットからボールペンを取り、それで段落グループのところの小さい四角を指し示してあげた。他のボタンに比べてとても小さい上に、隅っこにあるから見落としやすいんだよな、これ。

「これ。クリックしてみー」
「うん」

 言われるまま素直にクリックする川内。ダイアログが開き、見慣れない小難しい項目が並んでいて、川内のヤル気を削いでくる。

「うへぇ〜……難しそう」
「その中に、『文字を行グリッド線に合わせる』て項目があるだろ? そこクリックして、チェックはずしてみ。そしたらOKボタンをクリックだ」
「りょうかーい」

 言われるままにその部分をクリックし、チェックを外してOKボタンを押した川内。次の瞬間、さっきまであんなに開いてた行間が、みちっと詰まった。

「ぉお!?」
「これで一応、隙間は詰まる」
「ありがと! これで夜戦もバッチ……リてわけでもなさそうだね」

 確かに隙間は詰まったが……それでも、二枚目にはみ出しているのは解消されなかったようだ……。

「……まいっか! サイズは12ポイントで我慢しとくよ!!」
「んー。そうしとこう」

 無理矢理詰める方法もないわけではないが……素直に12ポイントにした方が楽だしな。

 続いて川内は、はがきの差出人の部分の編集に入る。はがきの差出人の部分は基本的に下揃え。郵便番号と住所は、氏名よりもやや上に上げのが定石だ。インデントをずらして一行一行調整していく方法もあるが……

「んーと……よしっ」

 川内は、一度すべてを下揃えにした後、郵便番号と住所の行だけ、スペースを入れて調整する方法を取ったようだ。いい感じだ。下揃え→スペースの順番もきちんと守ってるし、機転も効いてる。

「イラストも入れる?」
「入れちゃえ」

 キラッキラの瞳で『了解っ』と言った川内は、迷うことなくオンライン画像で『夜戦』の画像を検索していた。だが、やはりそんなものは見つかるはずもなく
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