二人は順調
昼
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それには同感ですね」
プリンタの前でソラール先輩と談笑し、教室を眺める。タムラさんと神通さんが楽しそうにおしゃべりをしているのが見えた。『あんたは何をやっとるの?』『エクセルです。でも難しくて……』と笑顔で語り合う二人は、本当に楽しそうだ。
「教室にも馴染んでくれてますね。神通さんが来てから、教室の雰囲気も明るくなりました」
「ああ。まるでこの教室を暖かくほがらかに照らす、太よ……」
「早くプリント持ってってあげましょうよ」
「貴公……」
ソラール先輩の意味不明な供述を無理矢理キャンセルし、俺はタムラさんにプリントを持って行ってあげることにする。俺の背後からチャリチャリという鎖帷子の音が聞こえてくるから、ソラール先輩も俺の後に続いたようだ。
「はいタムラさん。綺麗に出来ましたよ?」
「あらーホントね〜!」
「腕が上がりましたねタムラさんっ」
「それも先生がいいから〜」
「またまたそんな〜。タムラさんのがんばりの賜物ですよ〜」
「あらやだ。そんなこと言われたらうれしくなって先生に飴玉あげたくなっちゃうっ」
「俺も黄金糖大好きですっ!」
満面の笑みで、かばんの中の黄金糖を探すタムラさんを見守る俺の背後からは、やっぱり神通さんとソラール先輩の、心温まる喜びの声が聞こえていた。
「神通! これが貴公が作成したグラフだ!!」
「ありがとうございます」
「このグラフ、太陽のように美しいグラフだ! さすがだ神通!!」
「そんな……ソラール先生のおかげですよ……」
「大淀から聞いた。さすがは二水戦の旗艦だ。戦闘だけでなく、グラフ作成まで一流とはな!」
「ソラール先生……!!」
『にすいせん』てのが何なのかはさっぱりわからんが、それがOfficeとはまったく関係のないものであろうことは容易に想像できた。……ともあれ、みんな嬉しそうで何よりだ。ほくほくと温まった気持ちで、タムラさんから黄金糖を受け取り、それを口に運んだ。
「……おいし」
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