暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
二人は順調

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し方をされると萎縮しちゃいますから。カシワギさんの指示の出し方が、お年寄りには合ってるみたいですね」
「いやでも……うれしいですね。やる気が出ます」

 なんだろうな……この、作ったサイトを納品した時とはまた違う達成感。なんかすんごい胸が暖かい。ものを作った時とは違う『人に認められた喜び』ってのかなぁ……。なんて、一人で悦に入っていたら。

「私も、あなたがココに来てくれてよかったって、思ってますよ?」
「……!?」

 そう言って大淀さんは、ふんわりと柔らかい微笑みを俺に向けてくれた。

「……? カシワギさん?」
「……んはッ!?」
「どうかしました?」
「ぁあ、いえいえ。なんでもないですよー……」
「?」

 あぶねー……しばらくの間見とれちゃった……

 少しの気恥ずかしさを抱えたまま、最後に残った唐揚げを口に運び、昼飯は終了。大淀さんと共に自分の席に戻り、昼の授業が始まるまで間、Wordのテキストを開いて予習をしていると、ソラール先輩が昼飯から戻ってきた。昼飯ってやっぱあれか。エストとかいうやつか。

「ただいま!」
「ぁあソラールさん、おかえりなさい。遅かったですね」
「まいった……先ほど闇霊に侵入されてな。無残にバックスタブを決められたよ」
「それは災難でしたね……まぁ授業には間に合ってますし」
「闇霊との戦いが長引いたら遅刻しかねないからな。人間性が限界に達した姿は、生徒たちには見せられんし」
「ですね」

 そんな会話を交わし、くすくすと笑う大淀さんと、肩を揺らして朗らかに笑うソラール先輩だが……傍で会話を聞いている俺には、意味不明なやりとりだ。闇霊? 人間性が限界? なんだそりゃ?

「カシワギ」
「はい?」
「貴公も仮面巨人や仮面ハベルの闇霊には気をつけろよ?」
「……意味が分かりませんが」
「いや、考えてみれば、貴公には関係ない話か。ウワッハッハッハッ」

 肩をゆらして朗らかに笑ってないで、言葉の説明をしてくださいよソラール先輩。勝手に話を振って勝手に自己完結されたら、こっちは意味が分かりませんよ。

 しかし……今日はとてもうれしい。生徒さんからは褒められ、大淀さんとソラール先輩からも認められ……やっぱり、大人になってもうれしいことがあると、心がウキウキするんだなぁ。ヤル気もあふれてくる。

「ソラール先輩!」
「お? どうしたカシワギ?」
「これからもがんばりますよ俺は!!」
「その意気だ!! そして共に太陽の戦士として……」
「それはいらないです」
「貴公……」

 ソラール先輩が戻ってきて5分ほど経過した頃。お昼の授業を受ける生徒さんたちが、ぽつりぽつりとやってくる。

「ソラール先生〜、カシワギ先生〜。大淀さーん。こんにちは〜」
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