第34話<敗残兵>(改2)
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が……黙って睨み合っても間が持たないというか、このままでは、無意味に時間ばかり過ぎていく。
だが、いつまでもグズグスしてはいられない。こいつの体調の問題もあるし、いま陸軍や憲兵に見つかったら、かなり厄介なことになる。
私も説得は苦手だが仕方ない。
「逃げたい気持ちも分かるが無駄なことは分かるだろう」
「……」
無表情だな。
「お前のプライドは許さないかもしれない。だが、ここは敵地だ。特にいま陸軍に見つかると面倒だ」
「……」
すると日向も口を開いた。
「戦場であれば戦う定めだが今は違う。彼は海軍の司令官だ。お前を保護したいと仰っているのだ」
私も頷く。
「捕虜ということであれば、お前の身柄は海軍の責任で保証する」
続けて日向。
「今は私たちと一緒に基地へ同行してほしい。抵抗しなければ軍人としての誇りは最大限、守ってやる」
二人で言うには言った。
……だが、こいつ確か海軍とか人類が嫌いなんだよな。それ以上に私を嫌っているか。
深海棲艦は弱々しいながらも不敵な笑みを浮かべるのが分かった。
「バカナコトヲ言ウナ」
ああ、やっぱりそう来るか。そうだろうとは思ったけど、ちょっとガックリする。
だが、私もこのまま引き下がるわけにはいかない。
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