277部分:第二十三話 楓、思い出すのことその八
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第二十三話 楓、思い出すのことその八
青い髪が金髪になった。そうしてだった。
四人はそれぞれ散り朧を囲んだ。そのうえだった。
「行くぜ」
「貴様には色々と聞きたいことがある」
「それならばこそじゃ」
「ここで倒す」
「わしを倒す」
朧の言葉に邪なものが宿った。
「果たしてできるかのう」
「一つ言っておく」
嘉神の刀にはもう炎が宿っていた。
「我等とて伊達に四霊を司っている訳ではない」
「それはわかっておる」
朧の方からもこれは言ってきた。
「じゃが」
「じゃが?」
「わしはそれ以上じゃ」
「悪か」
示現は彼が身にまとっているものを見た。
「悪だな。その妖気は」
「悪か。そうじゃ」
朧はこのことも認めてみせた。
「わしをそう呼ぶのならそうじゃな」
「どちらにしてもこの世界でとんでもねえことをしようとしてるな」
楓は髪の色と共に性格を変えていた。
「それならだ」
「来るか」
「行く」
「それなら」
こうしてだった。彼等は戦いをはじめた。
四人はそれぞれ攻撃を放つ。しかしだった。
「くっ、この刃!」
「この強さ!」
「宙に浮かんでいるだけではないな」
「この強さは!」
「ほっほっほ、やはりやるのう」
朧は二本の刀を動かしながらだ。笑っていた。
「伊達に四霊ではないな」
「ふざけてるんじゃねえよ」
楓は朧のその刀を己の刀で受けながら言った。
「手前、この刀は」
「よく防ぎおるのう」
尚も笑う朧だった。
「この世界に来たのは刹那のことだけではないな」
「へっ、手前も潰すこともその中にあったんだろうな」
楓はこう朧に返した。
「だからだな」
「まあわしだけではあるまい」
朧の目が赤く光っていた。
「その他にもじゃな」
「オロチもアンブロジアも何もかも斬ってやるぜ」
楓は言い切った。
「全部な」
「言うのう。先程とは全く違うのう」
「俺の性格は二つあるんだよ」
朧の刀を防いでいるだけではなかった。攻撃も繰り出していた。
しかしそれでも朧はその攻撃をかわす。何なくだ。
「ちっ、何て動きだ」
「素早いな」
示現も言う。
「歳を思わせないな」
「わしを只の爺と思ってはおらぬ筈じゃがな」
「既に半ば以上人ではないな」
翁の言葉だ。
「その心がな」
「そうかものう。どちらにしろ今のわしはじゃ」
「化け物になってるのなら話は別だ!」
楓はまた刀から攻撃を放ったのだった。
「くたばれ!」
「ふむ」
姿を消した。それでだった。
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