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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第4話 「知らないけれど知っている」
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ったけど、怒るのは夜月くんの話をきちんと聞いてからでもいいんじゃないかな? 暗い顔してたのなら理由だってあるだろうし」

 なのはさん、さりげなく矛先をこっちに戻すのやめてもらえませんかね。
 それに暗い顔をしてたときに考えてたことは話せるものじゃないんですけど。話したら話したで本気で心配されそうだけどさ。それはそれで嫌なものがある。

「そ、それは……そうね。ねぇ夜月、何かあるの? あるなら言ってみなさいよ」
「悩み事がないとは言わないけど、バニングスに言っても意味がない」
「な……人が心配してやってるっていうのに何であんたはそういう言い方するわけ。あたしのことが嫌いなの!」
「いや、嫌いじゃない」

 むしろ現状で言えば、このクラスの中では最も話しているのではないだろうか。
 それ以外でも人間的に好感が持てる奴だし。まあツンケンした状態で絡んでこられたら嫌だけど。ただそれがなければ割とさっぱりとしているというか、変に気を遣わないで話せるし。

「素直じゃなさそうだけど、優しい子だったのは話せば分かるし」
「なっ……」
「あ、アリサちゃん顔赤くなってる。もしかして……」
「う、うっさいわよすずか! そういうんじゃないんだから勘違いしないでよね。というか、本人も居るっていうのに何言ってんのよ!」
「うん? アリサちゃん、そういうのってどういうこと?」
「なのは、あんたにはまだ早いわ」
「え、何で真顔で言うの!?」

 ……何だか懐かしさを覚えるやりとりだ。違う存在だっていうことは分かっているけど、やはり本質は変わらないのだろう。
 これからこの子達は色んなことに関わる。特になのはは……
 魔法に関わらないようにすれば、普通の女の子として地球で過ごすのだろう。アリサやすずかも魔法を知らずに、この3人で大学まで進んでそれぞれの道を歩む。そんな未来が訪れるのかもしれない。
 だけど……ジュエルシードを巡る事件は俺が代わりを務められたとしても、そのあとはどうなるだろうか。なのはが高い魔力を持っていることは現時点で分かっている。なら主のためにあの騎士達はこの世界でも罪と分かっていても行動するだろう。
 ならば……魔法と出会い、フェイトにぶつかって戦う力を身に付けていた方が安全なのではないだろうか。何も知らずに襲われれば、恐怖を覚えてしまう可能性だってある。フェイトやはやてというあちらの世界に居た親友をふたりも失うことにもなるのだ。
 それに……順当に進めば、あのふたりはこの学校に通うことになる。そのときになのはが避けるようなことになれば、あのふたりが気まずい思いをする。すずかははやてと繋がりを持つだろうから立場的に居た堪れないことになるだろう。

「……はぁ」
「夜月くんも何でそこでため息吐くのかな!?」

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