第一部 ケイオスクルセイダーズ
第一章 紅霧異変
10.咲夜の世界
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念だけれど、あなたたちにはお嬢さまはお会いにはならないわ」
丞一たちの真ん中にいた咲夜は今度は丞一が気づかないほど速く、後ろへと回り込んだ。
(くそったれ!今度はクロックアップかよ!)
クロックアップ。光の速度に近づくほどの速さで移動攻撃する技のことだ。承太郎の『スタープラチナ・ザ・ワールド』の速度を一、二段階下げたものだ。
これは、丞一。ひいては時間系能力者の穴でもある。
「代わりに私がおもてなすように申しつけられておりますっ!」
シュシュシュッ!という風切り音と同時にキンキンキン!という金属音が鳴り響いた。
その音とともに地面に散らばった物は、お馴染み丞一のフォークと、咲夜によって放たれたナイフだった。
「なるほどね、あんたの能力は『時間を操る程度の能力』ってわけね」
「………へぇ、あの一瞬で見抜くなんて流石ね」
そういうと、咲夜はナイフを取り出し妖しい笑みを浮かべた。
「霊夢、お前先に行け」
「何言っているんですか!?ジョジョ!いくらなんでも無謀すぎです!霊夢さんも何か言ってください!」
「……………任せていいのね?」
霊夢の問に対し、首を縦に降っただけだった。
「そう、じゃあ任せたわよ」
「合点承知」
「ジョジョ!」
「早苗」
丞一は悲痛な声を上げる早苗の頭へ手を乗せると、ぽんぽん、と撫でた。
「心配しすぎだよ。俺を誰だと思ってんだ?いつもニコニコあなたの隣に這い寄るスタンド使い慶条丞一だぜ」
それに、といったん間を空けて丞一は視線を咲夜へ向ける。
「おそらく、俺ほどあの人の手の内を知ってるやつはそういねぇ」
「さっさと元凶を退治して、このトチ狂った天気何とかしてきてくれ」
丞一は笑みを浮かべる。その笑みは早苗を安心させるには充分で、これから戦うのだということを忘れさせるような、そんな笑みだった。
「…………今日の夕飯は、ジョジョの大好きなハンバーグです。絶対!一緒に帰って、諏訪子様や神奈子様とみんなで食べましょう!」
「ああ!もちろん!」
『イエス!マイロード!』
丞一はいつの間にか出てきたダークワンとともにサムズアップをして、早苗たちはそれを確認し先へ急いだ。
「さて、あいつ等も先へ向かったし、第二幕。おっ始めますか」
「いいえ、これで最終幕よ」
「幻世『ザ・ワールド』」
「『ダークワン・ザ・ワールド』!」
「「時よ止まれ!!」」
ドォォーーーーン!カチコチ……
世界が灰色に包まれた。
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