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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十三話 大切な事
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ていいと言われたが、シャーリーは今、アスカの側を離れたくなかった。

廊下を歩いている時から、アスカは覚悟を決めた目をしていたからだ。

今回の騒ぎの責任を全て一人で背負って、管理局をやめると言い出すのではないかと思っていたのだ。

(アスカなら言いかねない……でも、そんな事をしたら余計にティアナが苦しむ事に…)

しかし、そんなシャーリーの心配をよそに、

「シャーリー。ティアナの様子を見ていてくれないか?たぶん、スバル達もいると思うから」

アスカはそう言ってきた。

「う、うん…じゃあ、後でね」

アスカを気にしつつも、シャーリーは隊長室から出て行った。

シャーリーが立ち去って、しばらく沈黙があった。

アスカは二人の様子を注意深く見ている。

(どう出てくる?)

極力落ち着こうと努めるアスカ。

「アスカ」

それまでイスに座っていたヴィータが立ち上がり、アスカの前に立った。

「は、はい!」

返事をしたと同時に、ヴィータはクラーフアイゼンの柄の先をアスカの顔に突きつける。

「ヴィータ!何をする!」

それを見ていたシグナムが声を荒げたが、ヴィータは取り合わない。

「自分が何をしたか、言ってみろ」

ヴィータは目を逸らさず、アスカを見ている。

「……」

クラーフアイゼンを突きつけられたアスカも、ヴィータから目を逸らさない。

「どうした、言えないのか」

ヴィータが追求する。僅かな沈黙の後、アスカは答えた。

「同僚への暴力行為。そして、上官への侮辱罪です」

「……歯ぁ喰いしばれ」

ヴィータの言葉に、アスカを歯を食いしばり、顎を引く。そして……

バシィッ!!

ヴィータはクラーフアイゼンの柄でアスカを殴りつけた。

そのまま吹き飛ばされ、壁に激突するアスカ。

「やめろヴィータ!自分が何をしているのか分かっているのか!!」

シグナムがヴィータの掴みかかって止めに入る。

「分かってる。コイツはこうでもしなきゃ自分自身を許す事ができねぇんだよ」

そう呟くヴィータに、殴られたアスカは驚いたように目を見開いた。

「殴られて少しはスッキリしたろ。今回の件はコレで帳消しだ」

ヴィータは見抜いていた。

ティアナを庇うために暴力行為をし、なのはを出撃させる為に暴言を吐いた。

その事にアスカが苦しんでいる事を。

何のお咎めもなく許したとしても、アスカはずっと気に病む事になるだろうと。

だから殴りつける事でアスカ自身に罰を与え、一区切りとしたのだ。

不器用ではあるが、一番アスカにあっているやり方だった。

「寛大な処置、感謝いたします!」

顔を腫らしたまま、ア
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