少しは妹を見習ったらどうだ?
夜
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ぞ」
「りょーかい。や、せ、ん。検索っ!」
「餅つき大会のお知らせになんで夜戦のイラストを入れようとするんだお前は」
「えー。ぶーぶー!!」
俺の指摘が気に入らないのか、口をとんがらせてブーイングをしながら、鏡餅のイラストを探す川内。いい感じのイラストを見つけ、クリックして挿入ボタンを押した。
「デカッ!?」
「よくあるよくある」
挿入された鏡餅のイラストは予想以上にデカく、一ページに収まりきらなかったようだ。この前までパソコンを触ったことすら無かったというのがウソであるかのように、川内は画像のサイズを器用にすいすいっと縮小させ、文字列の折り返しを前面に設定して所定の位置に動かしている。うまくなったなぁこいつ。
「んじゃあとはもちつきのイラストだねー」
「だな。それで完成だ」
「夜戦のイラストじゃだめ?」
「夜戦以外の選択肢はないのか」
「もちつきだって、夜にやれば一種の夜戦だよ?」
「そのりくつはおかしい」
やっぱり口をとんがらせ、ぶーぶーと文句を言いながら再びオンライン画像を利用してイラストを探す川内。もちつきのやる気ないイラストを見つけた川内は、そのイラストを挿入したのだが……
「あれ? せんせー、最初の鏡餅のイラストがなくなっちゃった……」
もちつきのイラストが入った瞬間、鏡餅のイラストが跡形もなく消えていた。鏡餅のイラストを選択したまま新しい画像を挿入したから、2つの画像が入れ替わってしまったみたいだ。
「へまったらどうするんだっけ?」
「あ、そうだそうだ。『元に戻す』だ」
「ぴんぽーん」
至極真剣な表情で、画面左上のぐるんと回ってる矢印をクリックし、操作をアンドゥする川内。その真剣な顔は目の毒なため、俺もあえて画面を凝視する。
「なんで消えちゃったのかなー……」
「鏡餅のイラストが選択されたままだったからだ。一回選択外してから入れなおしてみ」
「あ、なるほど。入れ替わるって言ってたもんね」
「おーいえー」
画面を見てると、今度はしっかりと選択を外した上でイラストを挿入したようだ。以上で、プリント『新春鎮守府餅つき大会のお知らせ』は完成した。
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「できたー!!」
「はい。お疲れ様ー。綺麗にできてるじゃんか。おつかれ」
「印刷していい?」
「いいぞー。俺は印刷したやつ取ってくるから、その間に保存しとこうな」
「了解!」
『んっふふ〜……んっふふ〜ん』と上機嫌に鼻歌を歌いながら、川内が今作ったプリントの印刷ボタンを押し、そのまま保存をしている。プリンターがガチャガチャと動き出す音が聞こえてきた。俺は立ち上がって一度教室から離れ、川内作の餅つき大会のプリントを取りにプリンタのそばまで向かい、プリン
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