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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
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えることができるのなら……悲しみを減らすことができるのなら――」
行く世界の人間からすれば余計なことかもしれないし、俺の自分勝手なことなのかもしれない。けど……
「――少しでも幸せな未来が切り開けるのなら、たとえ嫌われることになろうと挑戦してみたい」
「そっか。じゃあ、一緒に頑張ろう。たとえこれから行く世界でどんなに苦しいことや辛いことがあっても、わたしはあなたの味方でいるから」
そう言ってアリシアは黒に輝く十字架を俺に渡し、それにも負けない輝かしい笑みを浮かべる。
やっぱり……アリシアとフェイトは別人だ。同じような外見をしていても、本質の部分は異なっている。例えるなら太陽と月のようなものだ。同じ光を放つ存在でも照らし方が異なる。
「話もまとまったことだし、さっそく出発しよう!」
「ああ……どうやって出発するんだ?」
「そ・れ・は……」
アリシアが指を鳴らすと、突然浮遊感に襲われる。
視線を落とすと、そこには真っ暗な穴が存在しており、留まることを許さない力が働いている。そのため俺の体が必然的に落下し始めていた。
「テンプレどおりというやつですよ♪」
「そんなの知るか!?」
というか、先に一言言っておけ!
そのように言う暇はなく、俺はアリシアと共に暗い奈落の底に落ちて行った。終始彼女の顔が笑顔だったのは言うまでもない。
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