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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
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?」
「そう。それはね……無数に存在している並行世界のひとつ。あなたが存在してなくて、わたしが死んでて、なのはが魔法に出会って、ジュエルシードや闇の書を巡る事件が起きる。正史とでも呼べる無数の世界の基準となっている世界にわたしと一緒に行くって選択肢とかね」
正史ということは、それが本来というか基準となっている世界ということか。
確かにアリシアの今言った流れと、俺が体験してきた流れは大筋似ている。流れに大きな差がないのは、俺の能力が存在していようと存在していなくても変わらない微々たるものだったからか。そのように考えると納得できる……が、納得できない部分もある。
「行ってどうするんだ? あの頃のなのは達よりは強いだろうし、起こる出来事が大きく変わらないのなら先回りして変えることが出来るかもしれない。だがそれは……」
人生は言動を選択することで成り立っている。常にルート分岐があるようなものだ。些細な違いであれば大本の筋書き通りに進むだろう。だが小さな変化でも積もれば別のルートに移る可能性はある。
そうなれば先回りすることはできなくなるし、それが元で従来よりも重い未来が訪れることになるかもしれない。
「うん……確かにそうだね。あなたが思ったようなことになる可能性はある。あなたは魔導師として1人前の力量を持っているし、向かう世界の時間軸によっては未来の技術の知識も有しているから。わたしよりも大きな変化をやろうと思えば起こせると思うし」
「なら……俺は」
「ううん……行かない方がいいなんてことはないんだよ。だってどうなるかなんて分からないし、良い方向に変わることだってあるんだから」
アリシアは迷子に向けるような優しい笑みを浮かべる。生きた時間は俺の方が長いのだろうが、それでも彼女が先に生まれたのだと理解させられるような大人っぽさがあった。
「それに……全てを変える必要なんてないし、大きく変える必要もない。本来別れないといけない人とほんの少しでも長く一緒に居られること。将来を左右しかねない怪我を少しでも軽くすること。それだけでも……あの子達にとってはプラスになるんじゃないかな。だから……」
アリシアが小さな両手を前に出すと、そこに光の奔流が生じ一点に向かって集まり始める。まるで魂のような根源的な存在を思わせる光は、集束されていくに連れて黒曜石のような漆黒色の十字架へと変わる。
「わたしと……この子、《レイディアントノワール》と一緒に行こう。ほんの少しだけかもしれないけど、流れを変えて……あの子達にとっての幸せな時間を増やせるかもしれない」
流れを変える。
それはプレシアやアインスを救うことができるかもしれない、ということか。
アリシアは基準となる世界ではジュエルシードや闇の書を巡る事件が
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