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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
プロローグ
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ンフォース』
『はい、我が主』

 はやては一際大きな涙を流し始め、リインフォースは立ち上がった。魔法陣の中央に戻るかと思ったのだが、視線を俺のほうへと向けてきたため彼女へと歩み寄る。

『君は主のため、騎士達のために色々と頑張ってくれたのにひどい真似をしてすまなかった』
『……謝るのは俺のほうだ。助けるって言ったのに……何もできずに見送るしかないんだから』

 口から出た声は震えていた。はやてのように胸の内が感情で溢れつつあるのか涙も出そうになる。
 リインフォースは優しい笑みを浮かべながら、俺を落ち着かせるかのように頬に触れてきた。その状態のまま話し始める。

『そう自分を責めないでくれ。君やあの子達は、私の悲しみの連鎖を断ち切ってくれた。それだけで充分に助けられているよ』
『だけど……』
『ふふ、意外と君も聞き分けがないのだな』

 そういうところ我が主に似ている、と続けるリインフォースの顔は幸せそうに見える。
 今迎えようとしている結末は、彼女が本当に望んでいることなのだろう。高町達も1歩たりとも動こうとはしていない。儀式はもう止まらないと分かる。ならば俺がすべきことは笑って彼女を見送ることなのかもしれない。

『俺は……はやてよりも駄々っ子じゃないさ』
『ふふ、そのようだ。……終焉の時も近い。最後に君にもお願いがあるのだが』
『構わないよ』
『では……これから先もどうか主――いや、主だけじゃない。主がいつか手にするであろう魔導の器も騎士達と共に見守ってほしい』
『……ああ、約束するよ』

 震えそうになる声を押さえ込み、どうにか力強く返事をすることができた。リインフォースは礼を言うかのように微笑むと魔法陣の中央へと戻る。
 穏やかな笑みを浮かべるリインフォースの身体が青色に発光し始めたかと思うと、彼女の身体は徐々に青い光と共に空へと消えて行った。
 誰もが無言で空を見詰めていると、何かに気が付いたはやてが身体を引きずりながらリインフォースが立っていた場所まで進んだ。彼女が身体を起こして座りこんですぐに空から発光する物体が降りてくる。
 はやての手の平に落ちたそれは、金色の十字架のようなアクセサリーだった。リインフォースが言っていた欠片なのだろう。

『う……ぅ……』

 欠片を大事そうに胸に当てながら再びはやては泣き始める。何を言えばいいのか分からない状態だったが、俺は彼女へと近づいて片膝を着いた。
 潤んだ瞳がこちらに向けられたかと思った次の瞬間には、俺の胸ではやては出来る限り声を殺して泣いていた。高町達も静かに駆け寄ってくるが、誰もはやてに声をかけない。俺と同じように何を言っていいものか分からないのだろう。
 何も言えないのなら抱き締めてやるだけでも、と思って手をはやての背中に回
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