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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
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、彼女の手を握り直すことはできない。
落ちていくプレシアに自分の母さんの影が重なり、悲しみや寂しさ、喪失感が一気に湧き上がる。
『アリシア! 母さん!』
『フェイト!』
落ちていくプレシアやアリシアに手を伸ばすテスタロッサをアルフが止める。
テスタロッサがふたりの名前を叫ばなかったなら、俺が「母さん!」と叫んでいたかもしれない。そんなことを考えているうちに、ふたりの姿は見えなくなってしまった。テスタロッサの目からは涙が溢れている。
――何で……何でもっとしっかりと握っていなかったんだ!
自分がしっかりと握っていたならば、プレシアだけでも助けられたかもしれない。助けられなかったとしても、テスタロッサに会話させてやれたはずだ。親を失う悲しみを知っているのに……俺は……。
『あんたも何じっとしてるんだい! 脱出しないとくたばるよ!』
アルフに腕を引かれた俺は、思考の渦から抜け出せない状態だったが脱出を開始した。脱出する中、俺の口の中は血の味がしていた。
これは……そうだ。
プレシアを……フェイトの母親を助けることができなかったときの記憶。
『リインフォース! リインフォース、みんな!』
はやては押し殺していた感情を爆発させるように声を上げた。この声にリインフォース達も気が付いたようで、全員の視線がこちらに向いている。
『はやて!』
『動くな! 動かないでくれ。儀式が止まる』
こちらに駆けようとしたヴィータをリインフォースが制した。動いてしまうと儀式が止まってしまうのだろう。
俺は車椅子を押し続け、リインフォースの前で止めた。それと同時にはやては再び口を開く。
『あかん! やめてリインフォース、やめて!』
『…………』
『破壊なんてせんでええ。わたしがちゃんと抑える! 大丈夫や。やからこんなんせんでええ!』
『……主はやて、よいのですよ』
『良いことない! 良いことなんて……何もあらへん』
はやての目に涙が浮かんだ。それを見てもリインフォースは穏やかな笑みを浮かべたまま、彼女を見ている。
一瞬リインフォースと視線が重なった。はやてを連れてきたことで何か言われるかと思ったが、俺に対しても穏やかな顔を向けるだけだった。彼女は視線をはやてに戻すと話し始める。
『ずいぶんと長い時を生きてきましたが、最後の最後であなたに綺麗な名前と心を頂きました。ほんのわずかな時間でしたが、あなたと共に空を駆け、あなたの力になることができました』
『ぅ…………』
『騎士達もあなたの傍に残すことができました。心残りはありません』
『心残りとかそんなん……』
『ですから、私は笑って逝けます』
リインフォースの表情は穏やかなものだが、そこには強
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