ガンダムW
1719話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
サリィが言った通り、その日の夜……俺の部屋に、ノベンタからの通信が入った。
『シャドウミラーには、一週間後に行われる予定の交渉に出て欲しい』
「交渉に……出る? それは護衛とかそういう意味じゃなくて、文字通りの意味で交渉に出席するって事か?」
てっきり護衛か何かだとばかり思っていただけに、映像モニタの向こう側でノベンタが口にした言葉は完全に予想外だった。
『うむ。この交渉の参加者は、連合軍、ロームフェラ財団。……そして中東連合、サンクキングダムの4つの勢力となっている』
「トレーズ派は出ないのか?」
その交渉に参加する勢力にトレーズ派が入れば、それこそ現在この地球における勢力全てが出揃う事になる。
だが、そんな俺の言葉にノベンタは首を横に振る。
『今回の交渉は、あくまでも財団派が壊滅した事により、ロームフェラ財団の降伏について論じる場だ』
「……そういう意味なら、それこそトレーズ派がいた方がいいんじゃないか?」
財団派と最も激しく戦っていたのは、トレーズ派だ。
勿論財団派としては連合軍とも戦っていたのだが、身内同士の争いというのは往々にして普通に他の勢力と戦うよりも激しい争いになる事が多い。
そういう意味で、トレーズ派と財団派というのはこれ以上ない程に激しく争っていた。
元々同じ組織だからこそ、お互いに譲れないもの、許せない事といった感じであるのだろう。
『勘違いしては困るな。今回の件はあくまでも連合軍が財団派を倒した事による……降伏勧告と言ってもよい。当然それに参加出来るのは、連合軍と友好関係にある勢力だけだ』
「なるほど」
まぁ、トレーズ派だってOZに所属していたのは変わらないし、連合軍の中にはOZに対する根強い不信感がある。
……その辺りの大きな理由は、当然オペレーション・デイブレイクが関係しているのだろうが、それ以外にも海岸沿いにある基地が問答無用で……それこそ降伏してもそれが認められずに殲滅されたという件もあるだろう。
それを行ったのはアレックス率いる水中用MS部隊で、そのアレックスは財団派に所属していたんだが……まぁ、連合軍にとってOZはOZだろうし。
あの当時に既にトレーズ派と財団派に別れているのであれば、まだマシだったのだろうが……残念ながら、あの当時はまだOZは1つの組織だった。
そうなると、ノベンタの反応も分からなくはない、か。
「まぁ、勢力についての話は分かった。だが……それに俺達が参加する意味は? 俺達はあくまでも連合軍に雇われている傭兵団という扱いの筈だが?」
『その、傭兵団の戦力があってこそ連合軍はここまで事態を優勢に進める事が出来た。である以上、シャドウミラーが交渉の場にいてもおかしくはあるまい』
「……そうか?」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ