外伝
外伝《絶剣の弟子》EX
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ことがあるなら協力するつもりよ?」
「その思考が気に入らないと言っている」
まるで昔の自分を見ているかのようだから、というか、昔の自分がこの姉に影響されていたのだが。
それが変わったのは親父に連れられて行った、あの場所での出来事が原因だ。
「もう用は無いな?」
「もう、冷たいわね。後1つだけ、螢の彼女ちゃん」
「あ?」
木綿季のことで姉にとやかく言われる筋合いはない。皆無だ。そもそも襲撃の際、こいつらは木綿季まで危険に晒したのだ。その辺、この姉は承知しているのだろうか。
「とても寂しそうよ?」
「…………そんなことは分かってる」
何を宣うのかと思えば……と一層うんざりすると同時に、かなり痛いところを突いて来る指摘に気勢を削がれる。
「後悔しないようにね」
「……ああ」
その忠告に関してはもはや手遅れと言わざるを得ないが、せめて今回の件を何とかしてやることで、少しだけ力になれればと思った。
とはいってもやれることと言えば《狩猟大会》の裏を取ることぐらいだった。
この際、カイトたちには少しだけ囮になって貰い、敵が釣れたところで狩った方が事後処理もし易い。
敵にも味方にも悟られないようにするには、生半可な方法では通じない。キリトとハンニャに協力して貰い、秘境世界《天界郷》にて世界を見渡す神器《智賢の神座》を手に入れ、アルヴヘイムに戻って来た時にはもうレイドパーティーが出発した後だった。
フリズスキャルヴの能力で裏取りをし、PKプレイヤーたちのバックにいる存在を嗅ぎあて、全速力で向かった。
しかし連日無茶したのが良くなかったのか、頭痛が再発し時折アバターに力が入らなくなって来ていた。それでも何とか現場に到達したところで、限界を迎えた。
「大丈夫ですか??」
「ああ…………いや、そうでもないな……思ったより、時間が無かったみたいだ」
やれやれ。せっかくかっこいいタイミングで割り込めたと思ったが……慣れないことをするものではないな。
「ライト、もし、お前が力を望むならば……」
かっこ悪いことこの上ないが、背に腹は変えられない。この状況を逆転するにはライトと、非常に、とても癪だが、あの男とあの男が心血を注いだシステムの力を信じるしかない。確か、もうぶっ壊れて停止してるはずだが、無理にでも動いてもらう。
「……それを、この世界の誰よりも強く、確かに切望するならば……必ず応えは返ってくる」
「え?」
先入観とか、強迫観念は無い方がいい。純粋な思いの方が成功率は高いだろう。
「強く願え、望め。そうすればーーー」
もう、限界だった。体が動かない。強
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