第四十話 神戸に帰ってその七
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「そうよね」
「だからね」
「背に関係なくなの」
「飲むといいのよ」
「そうなのね」
「どんどんね」
「じゃあこれからも」
私はお母さんに答えました。
「飲むわね」
「そうしてね」
「ええ、ただ奥華の男の人って」
振り返ってみるとです。
「背の高い人多いわね」
「そういえばそうね」
「女の人は小柄な人多いのに」
「よく気付いたわね」
「気になるから」
私自身が小柄だからです。
「どうしても」
「気にし過ぎでしょ」
「そうかしら、それに今ちょっと」
「ちょっと?」
「実は後輩の子がいるの、一年生の」
阿波野君のことです、まさか実家でもあの子のことを思い出すなんてと思いながらお母さんにお話しました。
「その子背が高いの」
「そうなの」
「私よりずっとね」
「それでその子と比べて?」
「後輩の子なのに」
性別は隠しました、付き合ってるとか家族に言われるのも嫌なので。
「大きいの」
「それで余計になの」
「大きくなりたいの」
心からの言葉でした。
「だから牛乳熱心に飲んでるけれど」
「女の子で十八だと」
お母さんはその私に言いました。
「もうね」
「伸びないのね」
「大体そうよ」
そうだというのです。
「もう伸びないわよ」
「そうなの」
「女の子の成長は早くきてね」
小学生の時に言われたことでした。
「それで早く終わるの」
「男の子の方が遅いのね」
「それで男の子の方が大きくなるの」
「じゃあ私は」
「多分もう大きくならないわよ」
「そうなの」
「けれど牛乳を飲むことはいいから」
このこと自体はというのです。
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