何でも太陽と夜戦で片付けようとするのはやめろ
夜
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ordを起動させることにする。
「せんせー、どの四角をクリックすればいいの?」
「その『W』てなってる青いタイルがそうだ。その辺は他のOfficeのタイルと紛れるから注意だな。パソコンによって微妙に位置が違うし」
「はーい」
俺がボールペンで指し示したWordのタイルをクリックした川内。画面には、Word起動中のグラフィックが表示される。ここで川内に、今後のパソコン人生を決める重大な決断をさせなければならない。……いや、そんな大げさな話じゃないんだけど。
「ところで川内、キーボード入力の経験はないんだよな?」
「そうだよ?」
「Wordが起動したら体験してもらうが、キーボードでの日本語入力は2種類ある」
「へぇ〜。なになに!?」
「キーボード見てみ?」
俺の指摘を受けて『ふん?』とちょっと可愛い声をあげながらキーボードに視線を落とす川内。ちくしょっ……顔がべっぴんなだけに、普通のリアクションをしたら、めっちゃ可愛いぞこいつ……
「? せんせー?」
「あ、いやオホン……ひらがなとアルファベットが書いてあるだろ?」
「うん」
「そのアルファベットの組み合わせで日本語を入力する『ローマ字入力』と、ひらがなの通りに打っていく『かな入力』の2種類あるんだよ」
「へー。よくわかんない」
「口で説明するよりは、体験した方がいいよなぁ」
画面を見る、すでにWordは起動しており、画面いっぱいにWordの編集画面が表示されていた。よし。これで入力出来るな。
「んじゃ実際にやってみるか」
「了解! 夜戦だぁ!!」
「とりあえずキーボードで『YA』『SE』『NN』て入力してみ」
「はーい。んーと……」
川内がキーボードとにらめっこしはじめ、右手人差し指でYASENNと入力していく。最後のNまで入力し終わった川内は顔を上げ、真剣な顔で画面を見た。不覚にも横顔が綺麗だと思ったことは、バレないようにしなければならん。
「終わったよ〜……画面に『やせん』って出て……!?」
「そう。それがローマ字入力。川内もローマ字は知ってるだろ?」
「やせんだぁぁああああああ!!!」
「それで日本語を入力していくやり方だ。もうひとつが……」
画面を見つめる川内のをよそに、おれはこっそりと……いや別に隠してるわけじゃないんだけどさ……Altキーと『カタカナひらがな/ローマ字』キーを一緒に押した。
「んじゃ今度はかな入力をやってみよう」
「了解!」
「今度は『や』『せ』『ん』て入力してみ」
「はーい。えっと……いったりきたりだー……グフフフフ」
画面には先程と同じく、『やせん』が再び表示されている。ここだけ見るとなんだかシュールだな……。まぁ習いたてなんてこんなもんか。
「これが
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