269部分:第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその十三
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第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその十三
「知りたくはなかったがな」
「つまり腐れ縁ってわけだな」
「左様、およそ心を持たぬ外道だった」
それがその紫鏡だというのだ。
「剣の腕はそれなりだったがそれでもだ。一人であそこまでできはしないな」
「孫策のお姫様の城の奥深くに忍び込んだり何度も暗殺しようとしたりだったな」
「孫権殿の命も狙っていたな」
「それが一人でできることか、か」
「あの男は心がない。従って人を集められる男でもなかった」
「ってことはだ」
ここまで聞いてだ。フランコもわかった。
「その紫鏡の後ろには」
「誰かがいる」
斬鉄は言った。
「間違いなくだ」
「じゃあ誰だよ、そいつは」
「宮中に蠢く宦官共か」
まずは彼等の名前が出た。
「若しくは」
「若しくは?」
「我等が元の世で戦っていた者」
この存在の話も出した。
「常世か」
「そいつか?前話していた」
「それかも知れぬ」
「何か不気味な話が出て来たな」
「しかしだ。我等もただこうしてここに来た訳ではあるまい」
「ああ、それはな」
このことはフランコもわかることだった。
「何もなくていきなり違う世界に来ましたってのはな」
「ない。しかもこれだけの数の戦士達が来た」
「何かあるって思うのが普通だよな」
「左様、常世か」
またこの名を出した。
「それを出さんとする刹那か。アンブロシアか」
「他にも何かいそうだな」
「そうだ。何かがいる」
斬鉄は確信していた。
「この世界に何かが。我等がこの世界に来るきっかけになった何かがだ」
「いるってことか。どうなるかね、一体」
「それはこれから次第だ。それではだ」
「ああ、見回りを続けるか」
「今はな」
こうフランコにも述べる。
「そうするとしよう」
「やっぱりまずは目先の仕事だよな」
「うむ」
正論であった。何はともあれまずは今している仕事をこなすことだった。
しかしだった。ここでだ。その城壁の物見櫓のところにだ。彼等がいた。
「見えるわね、、卑弥呼」
「ええ、貂蝉」
こう二人で言い合う。
「それなら今から」
「いいおのこを探して」
彼等は闇の中で気配を消していた。そのうえで話をしていた。
そしてである。ここでその貂蝉が言った。8
「これからどうするの?」
「決まってるわよ。ここはね」
「ここは?」
「国中を回ってまずは私達と志を同じにする戦士達を集めましょう」
「そうね。オロチに常世が来ているし」
「アンブロジアもね」
「それにこの世界にも来ているわよ」
貂蝉はまた話した。
「あの二人が」
「わかってるわ。すぐに手は打つわ」
卑弥呼も貂蝉のその言葉に頷いた。
「とはい
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