レベルを持たない HYO
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も決して無い!」
「「……」」
2人の間にピリピリとした空気が流れた。
「こうなったら」
芽里はデッキを構えた。
「白黒つける必要がありそうじゃのう」
老爺もデッキを構える。
「「決……」」
「あなた達の求めるサンサーヴはもう存在しませんよ」
スッと滑り込むような声が、2人の動きを止めた。
「「……え?」」
2人が拍子抜けしたように声のする方を向くと、もこもこの服をきぐるみのように着込んだ子供が1人ポツンと立っていた。
「おや、まだわたしの名前を名乗っていませんでしたね。ぼくの名前は、荻路 十海です。宜しくお願いします」
十海はペコンとお辞儀をした。
「ま、待て、サンサーヴが存在しないって、」
「サンサーヴは老伍路 夢値が決闘で無力化しました。今あるのは、ただの石です」
焦る老爺に、十海は淡々と返した。
「む、無力化?」
「はい」
芽里の疑問に十海は頷いた。
「九衆宝 毛糸さんの作ったサンサーヴを無力化する装置を借りたようですね」
「毛糸!?」
老爺が十海に掴みかかった。
「毛糸が、そんなん作ったのか?そんなことしたらわしの栄華が台無しじゃよ?何故?まさか、嫌々作らされたのか!?」
「さぁ?そこまではわたしの耳に入っていませんね。ですがぼくの想像で言うなら……」
十海は「うーん」と上を向いた。
「実はサンサーヴ嫌いだったんじゃないですか?」
「んなわけあるかぁあ!」
老爺が怒鳴るが、十海は胡散臭いぐらいニコニコしている。
「九衆宝 毛糸さんはサンサーヴを完全に破壊したいとしか思えないような装置を制作したり購入しているんですよね」
十海の足元からピョンとボールが飛び出した。十海はそれをキャッチして中を開ける。
「はい、レシート」
十海が差し出したレシートを老爺は奪い取り、食い入るように睨みつけた。
「うううう分っからぁああん!」
老爺が放り投げたレシートを黒服の1人がキャッチする。
「よ、よく分からんが、毛糸にはそんなガチャガチャしたもんは似合わん!毛糸だって、そんなの使わん筈じゃ」
「こ、これは、光を当てた物の化学反応を抑えるライトですね……」
黒服は恐る恐るといったように呟いた。
「何?」
「しかも明らかに毛糸お嬢様のご購入記録です」
「何ぃ!?」
「へぇ、そうなんですか。じゃあそこに決闘なり諸々を加えれば、サンサーヴの封印も夢ではないのかもしれませんね」
十海は雑っぽそうに言った。
「そ、そんな……。毛糸が、毛糸が、わしに隠し事なぞ……」
老爺はがっくりと項垂れた。
「さて、次の任務に移りましょう」
十海はどこ吹く風と言った風に手をパンと叩いた。すると、芽里達の前に液晶
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