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提督はBarにいる。
提督式・ニンジン克服プログラム その2
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いいしな。溶いた卵にオリーブオイルとハチミツ、を加え、バナナを潰すようにしながら泡立て器で混ぜる。そこにふるっておいた小麦粉とレーズンを加え、ゴムべら等でザックリと混ぜ合わせる。これで生地は完成だ。

 パウンドケーキ型に生地を流し込み、2〜3回トントンして空気を抜いたら少し馴染ませる為においておく。5分も置いておけば十分だろう。後はオーブンに入れて40〜45分焼き、竹串を刺して何も付いて来なければ完成だ。適当な大きさにカットして、冷蔵庫で冷やしてやると更に美味いぞ。





「とっても美味しいわ!」

 パウンドケーキをムグムグやりながら、紅茶を嗜んでいる暁。すまして食べているつもりだろうが、口の端に食べかすが付いてるぞ?指摘はしないが。しかし、これだけ気付かずに食べられているならそろそろイケるんじゃないだろうか?どれ、試してみるか。

「そういや暁、お前ニンジン苦手難だって?」

「う、何でそれを司令官が知ってるのよ!」

「いや〜、前に電が秘書艦やった時にぼやいててな」

「う〜……好き嫌いがあるなんてレディらしくないから、言わないでって言っておいたのに」

「でも食えてるじゃねぇか、ニンジン」

「えっ?」

「だってそのケーキ、ニンジン入ってるぞ?」

 一瞬ポカンとした表情になった暁だったが、

「えええぇぇぇぇぇ!嘘でしょ!?」

「嘘言って俺に何のメリットがあんだよ。ついでに謂うと、お前が毎日飲んでるスムージー、あれも俺の入れ知恵でニンジン入ってるぞ」

「あはは……もう妹すら信用できないわ」

 乾いた笑いを浮かべている暁だが、騙されたとはいえ苦手だった食べ物が食べられるようになったんなら良かったじゃないか。

「さてと、暁?」

「はい?」

「今夜予定は空いてるか?空いてるなら妹達連れてウチの店に来い。本当に食べられるようになったかテストだ」

「うぅ……心配だわ」

「安心しろ、出来るだけ食べやすい料理を作っとくから」

 不安げな表情のまま頷く暁。さぁて、何を作るかな?





 さて、その日の業務終了後。約束通り暁が妹達を連れてやってきた。

「司令官、来たわ!」

「お世話になるのです」

「姉さんが何故か怯えてるけどね」

「うぅ……ニンジン、ニンジン食べるのぉ……?」

 ダメだこりゃ。まぁ、有無を言わせず食わすけどな。

「まぁまぁ、座った座った。今日はニンジンフルコースだからな」

 とりあえず4人からドリンクの注文を取り、そっちの準備は早霜に任せる。その間に前菜の盛り付けをして仕上げる。

「ハイよ、まずは前菜だ。特製ステーキサラダだよ」

 俺が出したのは普通のステーキサラダ
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