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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第593話】
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鳴り響いた。
「……負けちゃった。 ……単一仕様隠してたなんて」
ムスッと膨れる美春、後ろからは美冬からも抗議の目が。
「そうだそうだ! お兄ちゃんが単一仕様使えるって知ってたらもっと違ってたのに!」
そうは言うものの、ヒルトが発現したのはついさっき――それもこの単一仕様はイザナギのではなく【イザナミ】の単一仕様だ。
打鉄の時の【桜花幻影】に極めて近いものの、限り無く遠い存在ともいえる。
『フフッ。 私と主君の相性は抜群なのでな』
『むぅぅ(`ヘ´) ナギちゃんだって最強最高ラブラブ相性なのですよぉ(`o´)』
ハイパーセンサー状に繰り広げられる喧嘩にへきへきしつつも、何とか試合が終わったその一方で――。
「オーランドさん! あ、あの落ちこぼれ、また勝っちゃいましたよ!? い、いくらパッケージ装備したからって――」
「煩い! わかっているわ! ……くそ、あの落ちこぼれ……忌々しい……」
オーランドの筋書き通りに行くならば、今の試合はヒルトの圧倒的敗北だったのだが、見たことがない可変IS型パッケージの登場、二対一という不利な状況を跳ね返す力。
親指の爪をかじるオーランド――。
「……ならばもう一度二対一で戦わせれば問題ない。 次は流石に無理だろうしな、あの落ちこぼれの幼なじみと時期外れの転入生。 これがダメなら……フッフッフッ」
視界の先に居る山田真耶の背中を見たオーランドは静かに笑う。
IS委員会の権限で調べた結果、前日に【一機のIS】が搬入されてる事がわかった。
ほぼ確実に言える――あれは山田専用機だと。
「フッフッフッ、何にしても反対派である我々の基盤は磐石というものだぞ、ダスティ」
「そ、そうですな」
ニヤリと笑うオーランドと共に笑うダスティ――それを見ている一人の視線に、二人は気付かなかった。
「あらあらぁ……。 ……うふふ、私の息子はそう簡単に根をあげないわよぉ〜」
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