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歌集「春雪花」
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 風さそふ

  梢そ揺らし

   千々に鳴く

 心乱るる

    君想ふゆえ



 涼やかな風が木々の間を吹き抜ければ、梢は誘われるかのように揺れ…まるであちらこちらで鳴いているように聞こえる…。

 そんな音を聞いていると…自分の心は乱れてしまいう…。


 あぁ…彼のことばかり考えているからだな…。



 逢ふもなく

  恋しき君の

   名を呼べば

 溜め息ぞつく

     天の星影



 会うこともない彼…。

 恋しくて仕方がなく…彼を想っては名を口にする…。

 溜め息をついて夜空を見上げれば、明るい星々が輝いている…。

 彼に会いたい…この願い、叶えてはくれまいか…。

 だが…星も溜め息をつくかのように瞬くだけ…。


 私の願いは…叶いそうになさそうだ…。





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