第4章:日常と非日常
第108話「科学者の来訪」
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る。」
話している感じ、変人さは感じられるが、悪人らしくはない。
違法研究などで犯罪者になっているとは思えない雰囲気だが...。
「それに、稀代の才能を持つ者でも、歴史に残らない者もいるのでね...。」
「えっ、それはどういう...。」
「優輝、着いたわよ。」
ジェイルが呟いた言葉について聞こうとしたが、そこで翠屋に着く。
「...案内ならここで終わりだが...。」
「...聞きたい事が残っている。それに、その恰好だと目立つだろうし、名目上犯罪者を野放しにはできないからまだ同行するさ。」
「それは良かった。」
翠屋に入り、士郎さんに目配せをして、警戒の素振りを隠すようにしてもらう。
雰囲気ですぐ怪しいと思うとは...さすがです士郎さん。
「....さて、話の続きと行こうか。」
「その前に、注文はいいかい?」
「構わない。ここのマスターには簡単に事情を伝えておいた。」
認識阻害の結界を霊力で張っておく。
これで一般の人にはただの世間話と認識されるはずだ。
「そうそう言い忘れていたが、君に会おうと思った理由はもう一つあるのだよ。」
「もう一つ...だと?」
僕としては、先程の言葉を聞こうと思ったのだが、こちらも気になる。
「そう。簡単に言ってしまえば、君と私の境遇は少し似ているのだよ。」
「境遇だと?」
「どちらも過去に生き、そして生まれ変わった...。そういう事さ。」
「っ....!」
一気に警戒心を上げる。
“似た境遇”、“生まれ変わった”。このワードから考えるに...。
「転生...したのか?」
「ご明察。ただ、君と私では過程が違う。君がどうだったかは知らないが、私の場合はクローンにほぼ似た記憶継承のようなものさ。」
「クローン...ね。」
“ほぼ似た”と言う事は、本来のクローンでの記憶のコピーと違い、実際に何らかの方法で受け継がせたという事だろう。
「じゃあ、仮にお前の肉体を二世代目としよう。...その肉体を作ったのは?」
「構造、理論などは私が遺したものだが、作ったのは....最高評議会さ。」
「......!」
...前々から、管理局には後ろめたいものが見え隠れしていた。
クロノや末端など、半分以上がそれに関係していないが、それでも確かにあった。
だが、まさか元締めまでそれに関わっているとはな。
「私の頭には爆弾が仕掛けられていてね。叛逆する素振りを見せれば即“バーン”さ。だから、私は彼らの言いなりになって犯罪者に仕立て上げられたという訳さ。」
「...正義を掲げる組織がその実、自ら悪を作り出すという自作自演をしていた訳か。その
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