第4章:日常と非日常
第108話「科学者の来訪」
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も戦った事がないのに、刀を主武器にしてるとはいえ椿とあそこまでやり合えるとはな。」
「戦い自体は何度も見てきたというのもあるんじゃない?後は...才能かな?」
「加減してるとは言え、何度かひやりとさせられたわ。」
近接戦を克服するためなのと、力量を合わせるために椿も刀を使っている。
ユニゾンしている時はレイピアも扱うから、刀の扱いには慣れてるはずだけど...。
そんな椿をひやっとさせるとは、もしかしたら化けるかもな。
「.....ん?」
「あれ?珍しい恰好の人がいるね。」
家の近くに来ると、白衣を着た男性が秘書みたいな恰好の女性を連れて歩いていた。
あまりにも異質に見えたため、目に留まってしまったが...。
「(どこかで見たような...。)」
既視感を覚え、少々立ち止まってしまう。
それに気づいたのか、男性が僕へと話しかけてきた。
「やぁ。済まないが、道を尋ねてもいいかい?」
「え、あ、はい。どちらへ行くんですか?」
人の良さそうな笑顔で話しかけてくる男性。
道を聞くなんて、テンプレの不審者みたいだが...。
「“翠屋”と言う店に行きたいのだよ。人気らしく、興味が湧いてね。」
「それなら、その道を―――」
一応警戒しつつ、翠屋までの道のりを言う。
「―――で、そこを道なりに進めば見えてきます。」
「ふむ、なるほど。いや助かったよ。」
「ありがとうございます。」
お礼を言う男性と連れの女性。
普通ならこの街に慣れていなくて迷っただけに見えるが...。
「では、僕たちはこれで...。」
「ああ。縁があればまた会おう......ムート君。いや、優輝君と言うべきか?」
「っ.....!?」
“バッ!”とその場を飛び退き、男性と距離を取る。
椿と葵も、言っていない僕の名前を言った事で同じように間合いを取る。
...尤も、重要なのはただ僕の名前を知っていた事じゃない。
この男性が僕の導王としての名前を知っている事が問題なのだ。
「なぜ、その名前を知っている...!」
僕が導王と知っているのは、両親、緋雪、椿、葵やクロノと言った、親しくしている人でも限られた人たちだけだ。
それを、この男はさも当然のように知っていた...!
「ふむ、驚かせるつもりはなかったのだがね。」
「...少々お戯れが過ぎます。」
僕の問いに、男性は肩を竦め、女性がそれを窘める。
.......ここは...。
「....翠屋に直接案内しましょうか。ここではアレですから。」
「気が利くね。では、お言葉に甘
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ