暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第108話「科学者の来訪」
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男にとって、既存の生命を道具のように改造するのは賛成できなかった。
 一から作り上げたのならともかく、それでは男の信条に反するからだ。

「結果としては、彼女は生物兵器としてではなく、一人の人間の少女として死ぬ事を選び、現在の兄であり、かつての幼馴染であった彼に殺してもらったのさ。長い長い因果を断ち切るためにね。」

「それは....。」

 “せっかく兄妹として生まれ変わったのに...”と、ウーノは考えてしまう。

「生憎、私は人として感性がずれているのでね。彼らの悲しみや想いは理解できない。」

「...そうですね。ドクターはそんな方です。」

「...断言されると私も辛いのだが。」

 何とも言えない空気は二人の間に漂う。

「...っと、そういえば、この事件に関連したもので、興味深いものもあったね。」

「今度は一体...?」

 今度映されたのは、ユーリとサーラの戦い。
 その中でも、サーラとサーラの持つアロンダイトに注目する。

「かつて私が作ったデバイスと、その使い手さ。残念ながら、これ以降の足取りは掴めておらず、アロンダイトは別の少年に使われているがね。...まぁ、懐かしい者達を見れたものさ。」

「........。」

 そして、映像は最初に見ていたものに戻る。

「ふむ、そうだな...。」

「ドクター?」

「....よし、会いに行こうか。」

「....はい?」

 突然の会いに行く発現に、ウーノは間の抜けた声を出さざるを得なかった。









       =優輝side=





「....これをこうして....やったぁ!!やっと完成したよー...。」

「おー、上手く行ったか。ようやく“基礎”が終わったな。」

 夏休み最終日。いつも通りになった霊力の特訓で、アリシアが御守りを完成させる。

「...えっ?これで、“基礎”なの...?」

「おう。自力で作るものでは基礎だ。...だよな椿?」

「ええ。これぐらいなら基礎の範囲ね。持ってたら得する...これぐらいの御守りは昔ならそこら中にあったわね。」

 尤も、それは基礎の部分だけだ。ここから応用しなければならない。
 今回作られた御守りの効果は、若干運が良くなり、ごく小さい怪我をしない程度だ。

「うぇええ〜...頭痛くなる〜...。」

「基礎を繰り返せば作業みたいにこなせるが...そうなると効果が薄れるからな。」

「護符や御守りは術式を組む際に“想い”も重要だもの。」

 ただの“作業”としてより、想いを込めた方がいい...まぁ、典型だな。

「葵ー、そっちはどうだ?」

「んー、そうだねー。」


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