第4章:日常と非日常
第108話「科学者の来訪」
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
男にとって、既存の生命を道具のように改造するのは賛成できなかった。
一から作り上げたのならともかく、それでは男の信条に反するからだ。
「結果としては、彼女は生物兵器としてではなく、一人の人間の少女として死ぬ事を選び、現在の兄であり、かつての幼馴染であった彼に殺してもらったのさ。長い長い因果を断ち切るためにね。」
「それは....。」
“せっかく兄妹として生まれ変わったのに...”と、ウーノは考えてしまう。
「生憎、私は人として感性がずれているのでね。彼らの悲しみや想いは理解できない。」
「...そうですね。ドクターはそんな方です。」
「...断言されると私も辛いのだが。」
何とも言えない空気は二人の間に漂う。
「...っと、そういえば、この事件に関連したもので、興味深いものもあったね。」
「今度は一体...?」
今度映されたのは、ユーリとサーラの戦い。
その中でも、サーラとサーラの持つアロンダイトに注目する。
「かつて私が作ったデバイスと、その使い手さ。残念ながら、これ以降の足取りは掴めておらず、アロンダイトは別の少年に使われているがね。...まぁ、懐かしい者達を見れたものさ。」
「........。」
そして、映像は最初に見ていたものに戻る。
「ふむ、そうだな...。」
「ドクター?」
「....よし、会いに行こうか。」
「....はい?」
突然の会いに行く発現に、ウーノは間の抜けた声を出さざるを得なかった。
=優輝side=
「....これをこうして....やったぁ!!やっと完成したよー...。」
「おー、上手く行ったか。ようやく“基礎”が終わったな。」
夏休み最終日。いつも通りになった霊力の特訓で、アリシアが御守りを完成させる。
「...えっ?これで、“基礎”なの...?」
「おう。自力で作るものでは基礎だ。...だよな椿?」
「ええ。これぐらいなら基礎の範囲ね。持ってたら得する...これぐらいの御守りは昔ならそこら中にあったわね。」
尤も、それは基礎の部分だけだ。ここから応用しなければならない。
今回作られた御守りの効果は、若干運が良くなり、ごく小さい怪我をしない程度だ。
「うぇええ〜...頭痛くなる〜...。」
「基礎を繰り返せば作業みたいにこなせるが...そうなると効果が薄れるからな。」
「護符や御守りは術式を組む際に“想い”も重要だもの。」
ただの“作業”としてより、想いを込めた方がいい...まぁ、典型だな。
「葵ー、そっちはどうだ?」
「んー、そうだねー。」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ