ガンダムW
1717話
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いと思わない?』
綾子からの通信に、その指さしている方に視線を向ける。
するとそこにいたのは、イルカだった。
ただし、その大きさはまだ子供サイズだ。
イルカというのは家族を含めた群れで生活するって話を聞いていたんだが……何で子供のイルカだけがここにいるんだ?
「親はどうしたんだ?」
『いないみたい。ここで泳いでたら、この子が近寄ってきたのよ。……好奇心が強いんだろうね』
その言葉は、決して間違っている訳ではない。
実際、綾子の指を口で突いている様子が、俺の目の前には広がっていたのだから。
イルカは人懐っこいというのは、あくまでも俺のイメージだと思ってたんだけどな。
こうして見ると、決してそれは全てが間違っているという訳ではないらしい。
そんなイルカに興味を持ち、俺も綾子の方に向かう。
……だが、俺が近付いたと見るや否や、イルカの子供は即座にその場から離れていった。
それこそ、肉食獣を前にして逃げ出した草食動物の如く。
見事なまでの逃げ足の速さ……いや、逃げ泳ぎの速さか?
ともあれ、その速度はさすがイルカといった風な代物だった。
それは理解出来る。理解出来るんだが……
「何だって俺が近付いただけで逃げ出すんだ?」
それが、不満だった。
勿論、その辺りの予想は出来る。
人間から見れば、俺は普通の――少なくても外見は――人間にしか見えないが、イルカのような存在にしてみれば、第六感的とか野生の勘とか、そういうので俺が人間ではないと分かるんだろう。
……まぁ、それを言うのなら、綾子だって普通の人間ではなく半サーヴァントとなのだが。
ともあれ、微妙に納得し……それでもあまり面白くないまま、俺はこっちを見て笑っている綾子と共にスキューバダイビングを続けるのだった。
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