ガンダムW
1717話
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、ゆっくりとだが確実に貝の口は開いていく。
もっと一気に口を開けようと思えば出来るんだが、そうした場合、貝殻が壊れそうな気がするんだよな。
折角俺の食材になるんだから、出来れば綺麗なまま持っていきたいと思うのは間違っていないだろう。
そうしてやがて開いた口から、そっと手を抜く。
『おお……痛くないのか?』
「ああ、全く。貝の口を閉じる力そのものは、そんなに強くないらしいな」
それでも普通の人間の場合は貝をこじ開けるのに苦労しそうだが。
そんな風に考えながら、大シャコ貝を両手で持ち上げる。
これも普通の人間ならこの大きさの大シャコ貝を持ったまま海上まで泳いでいくのは難しいだろうが……俺の場合は話が別だ。
そのまま大シャコ貝を持ったまま、普通に海上に向かって上がっていく。
デュオが俺の後ろを泳いでくるのを感じながら、やがて俺の姿は海面に出る。
「……え? アクセル代表!?」
近くのクルーザーで周囲の様子を見ていた人物……俺達の世話係としてやってきた20代程の女の軍人が、俺の姿を見て驚きの声を上げた。
まぁ、自分の胴体程もの大きさがある大シャコ貝を持っているのだから、それも当然だろう。
ここの海はかなり綺麗で、だからこそ俺が持っている大シャコ貝も見る事が出来た筈だ。
「海底でちょっといい物を見つけてな。折角だから持ってきた」
「……いえ、いい物って……よくそんなに大きな貝を持てますね。普通なら、まず間違いなく1人でここまで持ってくるのは不可能だと思うのですが」
「その辺り、傭兵として身体を鍛えているからな」
何だか傭兵という言葉が全ての免罪符のような形になっているような気がするが、まぁ、その辺りは仕方がないだろう。
まさか本当の事を言う訳にもいかないだろうし。
「傭兵って……凄いんですね」
「まぁ、一流の傭兵ならこの程度の事は訳もないさ。それより、クルーザーに上がらせて貰うぞ」
「え? あ、はい。勿論構いません。それで、その貝はどうするんですか?」
「そうだな、ホテルの厨房にでも頼んで料理して貰おうと思ってるんだが……構わないか?」
「恐らく大丈夫だとは思います」
「そうか、助かる」
まぁ、超一流のサービスを売りにしているような場所だ。
客が食材を持ち込むくらいのケースは、普通に考えられているんだろうが。
軽い感じでクルーザーに上がると、大シャコ貝を床に置く。
ゴツリ、というその音を聞けば、このシャコ貝がどれだけの重量を持っているのかを想像するのはむずかしくないだろう。
「うわっ……こうして見ると、本当に凄いですね。アクセル代表、よくこんなのを持ってこられましたね」
改めて見た大シャコ貝の大きさに、女がしみじみと呟く。
この
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