運命のエクスシア
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市街地で開始されたフレスベルグとの戦闘は、高機動魔導師である私ですらかなりやりにくいものだった。なにせこれまでの連戦でフレスベルグの羽の猛毒にやられて命を落とした局員の数は百を優に超えており、しかも一本刺さるだけで全員が即死していた。とはいえ……アウターヘブン社の人はなぜか一人残らず全員が持っていたダンボール箱が防弾着代わりになったおかげで、羽が肉体まで貫通せずに助かっていたりする。まさにダンボール箱様様だが、その時の局員達の何とも言えない表情は筆舌に尽くしがたかった。ちなみに、私も実は一つダンボール箱を携帯している。だって戦士の必需品だもんね。
話を戻して……とにかくこの怪鳥相手だと普通は回避優先で対処するのだが、フレスベルグもかなりの速度で飛び回るせいでこちらの攻撃がなかなか当たらないのだ。おまけに足は頑丈なのか、もし胴体に直撃しそうな攻撃が迫れば足で防御され、ダメージを軽減される。膠着状態、千日手、私とフレスベルグの戦いは、いわばそのような状況であった。
「……チッ、さっきの電撃のせいで痺れが残ってて、体が動きにくい。あ〜もどかしい!」
しかし今回は誰がやったのか不明だが、どうも折れた街灯から漏電した電流を喰らったせいでフレスベルグの動きがいつもより鈍い。そのおかげで私の攻撃が度々胴体に直撃し、かなりのダメージを蓄積できていた。このまま順調にいけばもしかしたら、このイモータルはここで倒せるかもしれない……! そう思った直後、唐突にフレスベルグは急速に高度を上げていった。
「あ〜あ、腹ごしらえは済んでないけど、もう時間か」
「待て! 逃げるつもり!?」
「こっちにも都合がある、お楽しみは後に取っておいてやるさ。ま、つかの間の猶予を存分に味わうんだな! キシャロロロッ!!」
おぞましい鳴き声を上げながら、成層圏に入ったフレスベルグはどこか飛翔、姿を消した。どんな高ランク魔導師でも人間である以上、宇宙や海底のようにどうしても活動不可能な場所はあるため、私はそれを見届けるしかできなかった。
CALL音。
仕留めきれなかったことを悔しく思う私をよそに、バルディッシュに通信が入った。
『そっちは何ともないか、フェイトちゃん?』
「私は問題ないよ。でもごめん、はやて。フレスベルグには逃げられた……」
『こっちも同じや。さっき、ニーズホッグが撤退した。端末兵器群も含めて、急にな』
「どういう事なんだろう?」
『何らかの意図があるんやろうけど、情報が無いから何とも言えへんわ』
「ひとまず……クラナガンでの戦闘は終わったのかな?」
『せやね。しかし今回の襲撃は今までのよりはるかに深刻や。なにせ都市部に直接攻め込まれてもうたんやからな』
はやての言葉に私は頷く。2ヵ月前から始ま
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