第九話 別れその一
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第九話 別れ
久志と英雄は神殿を後にすることにした、その時に神官達とも別れの言葉を交えさせた。神官達は二人に言った。
「ではな」
「吉報を待っているぞ」
「これまでよく学んだ」
「これからはその学んだことを活かすのだ」
「そのうえで世界を救ってくれ」
「そうしてもらいたい」
「ああ、これまで有り難うな」
まずは久志がだ、神官達に笑顔で礼の言葉を述べた。
「また冒険に出るな」
「世話になった」
今度は英雄が礼を述べた。
「ここでのことは忘れない」
「そしてだな」
「世界を救ってくれるか」
「今海の底に眠っている世界も出してくれるか」
「下に広がっている世界も」
「そうさせてもらう、ではな」
英雄はここで足を動かした、そして久志も。
二人で神官達から遠ざかる、だが神官達はまだ彼等に言うのだった。
「また何かあったら来るといい」
「何時でも助けさせてもらう」
「そなた達に迷いがあればだ」
「我等が手を貸そう」
「期待しているのだ」
あの白い服の神官も言ってきた、神官達の中でも二人がここにいる時も最も親身になってくれた者であった。
「そなた達にな」
「じゃあその期待に沿うな」
久志は白い服の神官に明るい笑顔で応えた。
「絶対にこの世界を救うな」
「そしてだな」
「ああ、吉報を聞かさせてもらうな」
「そのことを楽しみにしている」
「ここで得た知識は極めて大きい」
青い服の神官も言ってきた。
「そなた達の最大の財産となる筈だ」
「これからのことでだな」
「そうだ、知ることは武器だ」
まさにとだ、青い服の神官は英雄に答えた。
「まさにな」
「だからだな」
「そなた達は最も強いものを使っていくことだ」
その知識をというのだ。
「いいな」
「そして我等はいつもここにいる」
最後にだ、赤い服の神官が言ってきた。
「何かあれば何時でも来るのだ」
「そうさせてもらうな」
「島は移るが何かあればだ」
今度は二人でだ、赤い服の神官に応えた。彼に対してはそうなった。
「来させてもらう」
「宜しくな」
「ではだ」
神官達は最後にだ、二人にそれぞれの宗派の挨拶で一斉に礼をしてだった。その礼で二人を見送った、二人は手を振って神殿を後にした。
神殿を出るとだ、久志は英雄に言った。
「こうして外に出るのもな」
「神殿からな」
「ああ、娑婆に出たっていうのか」
自衛隊めいた言葉でだ、久志は今の心境を述べた。
「そう言うのか?」
「そうだな、神殿はまた別世界だ」
「神々の世界だからな」
「だからだな」
「娑婆となる」
外の世界はというのだ。
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