暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
125章 中島みゆきを語る信也や詩織や美樹や真央たち
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
からね。スポーツも好きだけど。
マンガやアニメの影響なおのか、誰にも邪魔されることもなく、
自分の空想の世界を楽しんだり、構築することに、幸せを感じるタイプの人間で、
物心がつく小学4年生くらいから、そんなオタクなんですよ。おれの記憶する限りでは。
でも、そんな、揺るぎのない自分の世界を持てるというオタクな考え方で生きているって、
けっこう、たくましく生きて行ける、絶好の秘訣か持って、最近、見直しているんですよ。
こんなふうな、価値観の多様化や混迷の時代ですからね。あっははは」

「そうですよ。しんちゃんって、やっぱり、すごいと思います。
おれも、アーティスト的な視点からも、しんやんって、尊敬しちゃいますね!
おれは、クラシック音楽コンクールとかで、いくつも、第1位とか取らせていただきましたけど、
プロのピアニストとして、何が最も重要かと言えば、
個性とといいますか、オリジナリティーなんですよ。
いかにして独自の世界観やイメージを持てるかが、創造には大切なんですよね。
ごく普通のありふれたエリートのような技能や能力だけでは、
他者を感動させたりできないんですよね、しんちゃん。
だから、おれ、しんちゃんや、中島みゆきさんのようなアーティストを尊敬します!」

 陽斗(はると)は、信也に親しみと尊敬を込めた笑顔で、そう言った。

「まあ、オタクのおれが、みゆきさんの歌とかを聴き込んで、
やっとわかったようなこともあるんですよね。
みゆきさんの新潮文庫の歌集には『愛が好きです』というのがあるじゃないですか。
みゆきさんは、ほんとうに、『愛』を大切に思ってでですよね。
みゆきさんの歌では、愛をテーマとした歌が、
『愛だけを残せ』とか『愛と云わないラブレター』とか『I love you 答えてくれ』とか、
おれが知るだけでも10曲以上はあります。
どの歌も、おれは好きなんですよ。中には、あっ、これも、おれのことを歌ってくれているのかな!?
なんて思えてきてね。でも、そんな、うぬぼれの強い男は、みゆきさん、きっと嫌いなんですよね。
みゆきさんには、絶対に嫌われたくないですよ。あっははは」

「そうですよね、しんちゃん、ラブ&ピースなんて、軽く言えば、笑われるような社会ですけど、
人間から、『愛』を削除したしまったら、
地球上で、1番に、獰猛(どうも)野蛮(やばん)な生き物になってしまうのでしょうね」

 容姿からして、繊細な理系な雰囲気の(つばさ)が、そう言って信也に微笑(ほほえ)む。

「まあ、みゆきさんって、『愛』について、どんなふうに考えているのかっていうのは、
ぼくにとっても大きな(なぞ)であり疑問なんですけど。
最近、いろいろと調べているうちに理解できた気になったんでよ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ