125章 中島みゆきを語る信也や詩織や美樹や真央たち
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6人は、テーブルにあるボリューム満点の肉料理にもピッタリの、
よく冷えたカールスバーグ生ビールのグラスで乾杯をした。
みんなは楽しい雑談や、気さくなジョークに大笑いしたりしながら、
先月の5月4日のライヴで、信也がカヴァーした、中島みゆきの『恋文』に関するあの話になった。
「ねえ、しんちゃん!あなたが、中1の3学期のときに、ニッポン放送気付けにして、
中島みゆきさん宛てに送ったという短編小説って、どんな物語だったのかしら?うっふふ」
美樹が、悪戯っぽい瞳で微笑みながら、やさしい声で信也に聞いた。
「あっははは。あれね、あれはいま読み返しても、ぼくの生涯1度っきりの名作なんですよ。
書いたと当時は、名作だという意識はまったくなかったんですけどね。
でもね、文学少女のみゆきさんが、ぼくの小説を読んでくれていないはずはないって、
いまは確信しているんですよ。
それで、その感想と、おれへの返事が『恋文』に違いないと思うんです。あっははは。
おれも、ある意味、アホというか、バカですよね。何もそれを実証する証拠もないのに、
そう確信してしまっているんですから。あっははは。
まあ、ぼくのその短篇小説は、反響も多いので、
近いうち、未熟な部分とかを推敲して、
みんな誰もが読めるように、ネットで公開しちゃおうと思ってます。あっははは」
「わたしにも、まだ見せてくれないのよ!しんちゃんってば!」
詩織が、かわいく、ほっぺたをふくらませて、信也を見る。
「あっははは。詩織ちゃん、真っ先に、公開するときは、詩織ちゃんに見てもらいますから。
なんか、非常に、今となっては、おれもいいオトナだし、作品を見せるのって、
照れるんですよね。中1のときと違って。あっははは。
えーと、物語はですね。シズオっていう名前の音楽大好きな少年が、山梨県の親元を離れて、
東京の定時制高校へ通いながら、深夜営業もやる音楽のライヴもできるカフェバーで、
バイトしたりする、そんな日常の物語って感じなんですよ。
そこに、若い男女の恋愛やちょtっとした事件もあったりするんです。
あと、中1の水準ですけど、魂とかの哲学的な考察もちょっと出てきたりします。あっははは。
あと、これは偶然なんですけど、ぼくの小説には、ちょいの間だけど、犬が出てくるんですよ。
みゆきさんも大好きなワンちゃんが。それも、みゆきさん、気に入ってくれてるのかな?あっははは」
「へーえ。すごいわ!しんちゃん、中1で、そんな物語を書いたのね!尊敬しちゃうな!わたし!」
そう言って、ほんとうに尊敬のまなざしになって、笑顔で信也を見る、真央。
「あっははは。おれって、生まれたときから、オタクだ
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