旧校舎のディアボロス
レイナーレの最後
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「・・・聞こえなかったのかしら下級悪魔? 早くアーシ・・・」
「お前こそ聞こえていなかったのかよレイナーレ? お前のクソくだらねぇ計画のためにアーシアを殺した奴にアーシアは渡さない」
俺が前に出ると、木場と小猫ちゃんも俺の横に並んで立ってくれた。
「・・・あなたに全員、ここで倒させてもらいます」
「これ以上僕の大切な仲間を傷つけるなら、容赦はしない」
小猫ちゃんが拳を強く握りしめ、剣を握った木場が睨みつける。木場・・・小猫ちゃん。
棟夜の奴はアーシアを抱きかかえたまま動かない・・・協力は、無理か。
「チッ! 早くその悪魔たちを殺りなさい!!」
レイナーレが命令すると神父と堕天使が襲い掛かってきた。
負けられねぇ! 俺の我儘を通してくれた部長。手助けしてくれた木場に小猫ちゃん、棟夜のためにも・・・そして、アーシアを利用して殺した堕天使どもを絶対に倒す!
「動きやがれ! 俺の神gッ!」
−ゾグッ!―
!!?? 神器を出現させようとした瞬間、息がとまるほどの殺気が俺を襲った。俺だけじゃなく、木場や小猫ちゃん、ここにいる全員が動きを止めた。
背中に冷や汗が流れ、体が震え、心臓が異常に鼓動する。
「おい」
後ろから声が聞こえた・・・棟夜だ。それ以外にありえないからだ。
振り返れば・・・ッ! 見たことが無いほどの憤怒の表情に、黒い瞳じゃなく、血の色をした目でこっちを見ていた。
左手には見たことが無い紅い槍が握られて切っ先を向けている。
「死ぬ覚悟はできているんだろうな」
棟夜side
一瞬だった。和やかな雰囲気になった直後、俺が破壊した祭壇の方から破壊音がして、光りの槍がアーシアの腹部を貫いた。
槍に貫かれ倒れるアーシアの動きがスローモーションに見えた。とっさに体が動き、抱きとめる。
目に光りはなく、槍が消え腹部からは血が大量に出ていく。制服に血がしみ込んで変色し、ズボンにも血が吸収され重くなった。
「アーシアァァァァァァァァッ!!!」
一誠の声が協会内部に響き渡る。
槍が飛んできた方へ視線を向けると、生き埋めにしたはずのレイナーレと神父、ゲートを通じてきた数人の堕天使がいた。
・・・確実に生き埋めたはずだった。あれほどの爆発だ。生きてるはずがない・・・そう思っていた。だが甘かった。執念深い奴ほど生きる力があったことに気付かなかった。
完全に俺のミス・・・まだ敵地だというのに気を抜いた結果がこの様。
前では一誠とレイナーレが言い争っている声が聞こえた。
「・・・アーシア」
呼びかけるが反応はない。当たり前だ。腹部を貫かれて生きてることはありえない。頬に手を伸ばし触れる。
冷たい感触。温かみが消え始め死に向かっている証。
何故ア
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