旧校舎のディアボロス
レイナーレの最後
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一誠side
棟夜のおかげで無事アーシアを救出できた俺たちは聖堂に戻ってきていた。
「助かったぜ棟夜。マジでサンキュな」
「気にすんなよ」
アーシアをイスに寝かせて薄着の上から制服を被せると、アーシアの眉が動いて目をうっすらと開けた。
「・・・あれ? トーヤさん? それにイッセーさんも」
「大丈夫か、アーシア!?」
「はい。少しからだが重いですけど、何ともないです」
「そうか・・・良かったぁ」
安心した俺は涙が溢れ出てた・・・本当に良かった。
「良い年した男が泣くんじゃねぇよ。最悪の事態は避けたんだからさ」
「う、うるせぇよ! これは嬉し涙だ!」
やれやれといった感じに肩を竦める棟夜に木場の奴は苦笑を浮かべ、小猫ちゃんは柔らかい笑みを浮かべていた。助かったんだから良いだろ!これで終わったんだと、思った直後だった。
ズガンッ! いきなり背後で凄い音がした! 何だ!?
振り返ろうとした時だった。何かが通り過ぎて嫌な音が聞こえた。
音の場所、いや・・・そんなわけないよな。心臓が早く鼓動し、息があがる。振り返れば・・・俺が見たくなかったものが移りこんだ。
「あ・・・アーシア」
目に光りが無くなったアーシアが棟夜の腕に抱かれていた。その腹部には穴が開いていて、血がとどめなく出ていて、棟夜の制服を赤く染めた。
あ・・・・あ、あ。
「アーシアァァァァァァァァッ!!!」
気が付けば俺は大声を上げて近づいた! 嘘だろ!? こんなことってあるのかよ!!
「フフフ。アハハハハハハ! バカな娘ね。私たちに協力をしていればそんな目に合わずに楽に死なせてあげたのに」
笑い声・・・振り返れば傷だらけのレイナーレと半分以下の神父。それに数人の堕天使がいた。
「何で、無事なんだよ」
「あら。おかしな事をきく悪魔ね・・・簡単よ。何人かの神父を壁にして落石から身を守ったのよ。おかげで私は軽傷ですんだわ」
仲間を・・・見殺しにしてまでもか。
「仲間を見殺しにしても生きたのかって顔をしてるけど、勘違いしないでくれるかしら? 私たちに仲間意識なんてものは存在しないわ。ただ自分の欲望を満たすためだけに一時的な協力関係を結んでいるだけ。私はその子が持ってる神器。聖母の瞳が手に入ればよかったのよ。どれだけの犠牲が出ようと私には関係ないわ」
こいつ・・・たったそれだけで、アーシアの命を奪ってまで神器が欲しいのかよ。
「さぁ。早くその子を私たちに渡しなさい。この計画を邪魔したあなたたち悪魔は殺すけど、あまり煩わせないでほしいわね。この計画は裏で極秘に行ってきたものだからバレるとまずいのよ」
「誰が渡すかよ」
俺は激しい怒りを抱いて、レイナーレを睨みつける。
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