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科学の街で都市伝説
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「……………。」
「お相手願おうか、上条。」
「す、すみませんでしたぁぁぁぁ!」
と言うことで河川敷に移動する私達。
正直に言うと、こうなった湊は誰にも止められない。
「あ、あの湊…さん…?」
「あ?」
「あ?はやめろ…!ほんとに怖いか……!?」
「あはは、ちゃんと避けねぇと死ぬぞ?」
「目が笑ってねぇから!!」
──あー、これ死人出そうね……。
「どうせお前には効かないだろうが!」
バチッ!
湊が右手から作り出した電撃を馬鹿に向けた。
だが、その電撃は馬鹿に当たる事も流れるわけでも無く消えた。
「あっぶねぇ…!」
「あー、もう殺るか。」
「漢字!『やる』の変換が違うからな!?」
「あはは、感謝しな。」
「したくねぇよ…!」
湊の全身から電撃が流れ始める。
──ちょっと待って、このままじゃ…!?
「あ。」
「あ?」
馬鹿が「やばい」とでも言いたそうな顔をしながら変な声を上げた。
「警備員が………。」
少し遠くからサイレンの音が聞こえる。
「あ。」
「アンタ、少しは遠慮しなさいよ!!」
「と、とりあえず解散だぁぁぁ!!」
私と湊、馬鹿は二手に分かれた。
ひたすら走り、サイレンの音が完全に聞こえない所まで走ると気がつけば寮前にいた。
「はぁはぁ……とんでもない事に巻き込まれたわ……。」
「不幸の塊の恐怖が改めて感じた……。」
湊は私の横で溜め息混じりに呟いた。
「それじゃあ、俺もそろそろ帰るよ。」
「えぇ、あ。」
私は本来の目的を忘れていた。
──まだ謝ってないじゃない……!
「ん?どした?」
「あ、あの……。」
「ん?」
──いざ言うとなると緊張するわね……。
私はスカートの裾をぎゅっと掴みながら、無意識に上目遣いで湊の顔を見た。
「ど、どした?」
──もう言うわよ、私…!
「その……今まで冷たく当たっててごめん……なさい。」
「え?」
本日2度目の驚きなのか、湊は目をパチくりしていた。
「湊の……考えや事情を知らずに私の一方的な勘違いで傷つけたから……。」
湊は、私の話を聞いて納得したのか微笑んで私の頭にポンと手を置いて撫でながら話した。
「そんなこと気にしなくていい、間違いは誰にでもある。それに俺だって美琴の記憶を改竄してる、お互い様さ。な?」
私は顔を伏せながら返事をした。
「………うん。」
「あー、そんな顔するなって。」
湊は笑顔で私の顔をのぞき込んで「大丈夫。」と何度も言った。
「………ねぇ。」
「ん?」
─
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