最終章
1節―超常決戦―
誰の記憶にも止まらない物語
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を反省し、それを常に前へと進む力としている。
だから、まず“後悔したくない”なんていうのは“人として間違っている”。
それは幼い子供が持つ夢と同意だろう。
幼い子供が“正義の味方”に憧れるように、今のソウヤは“後悔しない”という未来に憧れた。
きっとその先に待つのは為し得なかった現実のみ。
幼い子供が成長し、倫理観を学ぶ段階で“正義の味方などありえない”と知るように、ソウヤの想いもいつかは潰える。
そして、その瞬間がこの戦いで起こる可能性が最も高い。
“世界神に敗北する”という事実によって、ソウヤの“後悔したくない”という想いが潰れるのだ。
故に、ライトは歪だとソウヤに今言う。
これが“現実を事前に知る”最後のチャンスなのだから。
「昔さ、俺は1つの話が大嫌いだった」
「――――?」
唐突に語られるのは、ソウヤが“蒼也”であった昔の話だ。
幼い蒼也は1つの本に出会う。
その本は展開が非常に王道で、当時幼かった蒼也にとって憧れるような内容だった。
けれど、その本は“幸せな終わり”ではなかったのである。
ヒロインが生きる人全ての業を背負い死に、主人公も黒幕との勝負に差し違え死んでしまう。
酷い終わり方を見て、ソウヤは当時とても怒った。
中々あそこまで怒るのも珍しいと思えるレベルの大激怒だったらしい。
「…だから俺は、その時から“ご都合主義”の話が好きになった」
死にかけた主人公が運よく覚醒するとか、その場面で新しい仲間が出来るとか。
最初から主人公がとても強いから、仲間が誰も死ななくて済むっていう話とか。
敵であったキャラが主人公を気に入って仲間になって、助けてくれる展開とか。
ご都合主義は面白くない?
ハッピーエンドはつまらない?
もう少し残酷にしてくれ?
王道はもう飽きた?
王道結構、ご都合主義万歳、仲間が死ななない話最高。
だって、最終的には“みんな幸せな終わり”だ。
「俺は今を“良い”と思う」
「…どうして?仲間じゃなくても誰かは死んだ。君だって何度も代償を払って力を得てきた。何よりこの世界は“残酷”だ」
確かに、この世界は人が死にすぎた。
確かに、自分は欲しくも無い力の代償を払ってきた。
確かに、現実は思っていた以上に残酷だった。
――けど、まだ遅くない。
「俺は救うよ、“全部”を」
「――――」
終わり良ければ全てよし。
死ななくても良かった人を、この世界に出来た無数の傷を、人々を護る為に自らの身を捧げようとする仲間を。
ソウヤは全てを救う気なのだ。
「……俺も、準備してくるよ」
「――ソウヤ、最
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