256部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十七
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第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十七
全員で来た場所は桃園だった。そこは桃色の花が咲き誇る素晴しい場所だった。そしてそこで七人がそれぞれの武器、それに団扇を重ねていた。
「我等は生まれた時は違えども」
「生きる時は同じ」
「そして死ぬ時も同じ」
「それが分かたれることはない」
「例え何があろうとも」
頭上に掲げられたそれぞれの武器が重なり合っていた。そのうえでの言葉だった。
「今ここに誓おう」
「兄弟として」
「はい」
この言葉と共にだった。乙女達は義姉妹となった。
それを見てだ。馬岱が微笑んでいた。
「蒲公英は加わらなかったけれどいいものね」
「何で入らなかったんだ?」
二階堂がその馬岱に問う。彼等は桃の木のところに立っている。
「あんたは」
「蒲公英は翠お姉ちゃんともう義姉妹みたいなものだからね。だから」
「それでか」
「従姉妹同士だから」
だからだというのだった。
「だからよ」
「そうか、それでなのか」
「誘われたけれどいいかなって思ったのよ」
そうだとも二階堂に話す。
「だからね。蒲公英は見てるだけなの」
「それもありだな。じゃあな」
「そうね、誓いも終わったし」
「飲むぜ。刺身もあるしな」
「おいおい、相変わらず好きだな」
草薙は二階堂が笑顔で刺身と言ったことに少し呆れた声で述べた。
「生の魚は結構危ないぜ」
「へっ、俺がそれ位でどうにかなるかよ」
二階堂は笑いながら草薙に返した。
「もっとも変な魚は焼くがな」
「それがいい。そうした魚はわかるな」
「ああ、直感でな」
わかると。大門にも答える。
「とにかく早速飲んで食うか」
「そうだな。そうしよう」
最後に大門が頷いてだった。全員で宴に入る。戦士達は今集った。だがまだ星が多く残っていた。その星達もまた集っていくのだった。
第二十一話 完
2010・6・21
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