第4章
2節―変わらぬ仲間―
終結と布告
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っていきながらも、最低限遊べるところは遊びつくす。
こうなってしまえば、ソウヤは完全に玩具と化してしまう。
不完全な状態で挑んでしまえば勝ち目がないことは、アルティマースが断言していた。
それでも。
「…………る」
それでも…。
「……てやる」
それでも――
「やってやるッ!」
――それでも、ソウヤは諦めない。
確かに今の自身は不完全な状態だ。
確かに今の状況は圧倒的に不利だ。
確かにもう大概に詰みなのだろう。
けれど、それは“確実”ではないのである。
不完全な状態でも勝ってしまえばいい。
圧倒的に不利でも覆してしまえばいい。
大概に詰みだとしてもまだ光明がある。
なにより、ここで諦めてしまうのは“自分らしく”ない。
何故なら――
「俺はお前をぶっ倒して、元の世界に戻ってやるッ!」
――諦めたら、自分自身が一番後悔するのだから!
「ふ、ふは…あははははははは!!!!良いよ良いよ、それでこそ“君”だ!」
「首を洗って待ってろ、ウィレスクラ。必ずお前をぶっ飛ばしてやる」
そのソウヤの宣言に、大笑いしながら声は消えていく。
理解した、ということで合っているのだろう。
「…3日後、か」
そう呟くソウヤの視界に、駆け寄る仲間達の姿が見えた。
―仲間を必ず護るため。皆を必ず救うため。俺たちを必ず戻すため。俺は戦おう。
不安気に揺れる仲間達の表情に、ソウヤは小さく笑むと仲間の元へと地面が壊れない程度の速さで駆けていく。
未だに彼は不完全で未完成。
けれどその意思は誰よりも気高く、誰よりも頑丈。
反逆の時間まで、後3日。
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