第4章
2節―変わらぬ仲間―
終結と布告
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
“それをここまで成長させたのは貴方だし、その力を使って私たちを…世界を救おうとしてくれてるのは貴方よ、ソウヤ”
少し前に、レーヌが言ってくれた言葉を思い出す。
確かにソウヤの持つ力は“貰い物”…言葉を変えるのなら“託された力”だ。
けれど、その“託された力”も最初は弱く…他の人に比べて少し才能がある程度。
必死に育て、必死に生き延び、必死に鍛えてやっとここまで強くなれたのだ。
だからこそソウヤはミカエルに言いたいことがある。
「――他人の力を威張って楽しいか?ミカエル」
「…ッ!」
刹那、ソウヤの目の前に黄金の剣を構えるミカエルの姿が現れた。
薄々ミカエルも気付いてはいたのだろう。
この力はあくまで“他人の力”なのだということを。
振るわれる黄金の剣。
受け止めてしまえばソウヤは成す術もなく吹き飛んでしまうし、避けるのはこの至近距離では不可能だろう。
ならば――
「ぐッ…!」
――吹き飛ばされなければいい。
黄金の剣を“肩で”受け止める直前、ソウヤはミカエルの背中に手を回してガッチリと掴む。
こうすることで、“神気”による圧力と肩に入るダメージさえ耐えてしまえばソウヤが吹き飛ばされることは無い。
―“肉体強化”、“亡霊解放・二ッ…!”
ソウヤが自己強化をし終えると同時に、肩の痛みと“神力”による吹き飛ばしが始まる。
「ぐッ…!がぁあぁああああああッ!!」
“神気”による圧力と黄金の剣の他を凌駕する攻撃力に耐え、ソウヤは雪無をミカエルの腹目掛けて全力で手前に振るった。
巨剣の分厚い刀身が、全てを破壊せんと突き進む。
そして、黄金の剣は消滅した。
持ち主が死ねば、その肉体は扱う資格を失い黄金の剣は消え去る。
そしてまた扱う資格を持つ者を待つため、どこかに現れるのだろう。
「人、間…!」
「まだ…生きてるのか、ミカエル」
呆れた精神力にソウヤはそう言い…心の中ですぐに訂正する。
今、この時ソウヤに言葉を発しているのは怨念だ。
ソウヤと戦闘し、死んだ者の魂は黄泉へと行けずソウヤの“亡霊解放”の中で閉じ込められることになる。
だから、今現在ソウヤに言葉を発しているのはミカエルの魂。
“巨剣使い”、いや“剣神”となったソウヤの、逃れられぬ罰だ。
「…すまない、せめて安らかに“生きてくれ”」
そう言い、ソウヤはミカエルの魂を閉じ込める。
一つため息をつきソウヤは周りを見渡してみると、周りの仲間達も大概の天使を倒し終わっているところだった。
と言いつつ、その周りとは“1q”ほど離れているのだが。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ