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グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
2節―変わらぬ仲間―
終結と布告
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 “それをここまで成長させたのは貴方だし、その力を使って私たちを…世界を救おうとしてくれてるのは貴方よ、ソウヤ”

 少し前に、レーヌが言ってくれた言葉を思い出す。
 確かにソウヤの持つ力は“貰い物”…言葉を変えるのなら“託された力”だ。
 けれど、その“託された力”も最初は弱く…他の人に比べて少し才能がある程度。

 必死に育て、必死に生き延び、必死に鍛えてやっとここまで強くなれたのだ。
 だからこそソウヤはミカエルに言いたいことがある。

「――他人の力を威張って楽しいか?ミカエル」
「…ッ!」

 刹那、ソウヤの目の前に黄金の剣を構えるミカエルの姿が現れた。
 薄々ミカエルも気付いてはいたのだろう。
 この力はあくまで“他人の力”なのだということを。

 振るわれる黄金の剣。
 受け止めてしまえばソウヤは成す術もなく吹き飛んでしまうし、避けるのはこの至近距離では不可能だろう。
 ならば――

「ぐッ…!」

 ――吹き飛ばされなければいい。

 黄金の剣を“肩で”受け止める直前、ソウヤはミカエルの背中に手を回してガッチリと掴む。
 こうすることで、“神気”による圧力と肩に入るダメージさえ耐えてしまえばソウヤが吹き飛ばされることは無い。

 ―“肉体強化”、“亡霊解放(エレメンタルバースト)()(セカンド)ッ…!”

 ソウヤが自己強化をし終えると同時に、肩の痛みと“神力”による吹き飛ばしが始まる。

「ぐッ…!がぁあぁああああああッ!!」

 “神気”による圧力と黄金の剣の他を凌駕する攻撃力に耐え、ソウヤは雪無をミカエルの腹目掛けて全力で手前に振るった。
 巨剣の分厚い刀身が、全てを破壊せんと突き進む。

 そして、黄金の剣は消滅した。

 持ち主が死ねば、その肉体は扱う資格を失い黄金の剣は消え去る。
 そしてまた扱う資格を持つ者を待つため、どこかに現れるのだろう。

「人、間…!」
「まだ…生きてるのか、ミカエル」

 呆れた精神力にソウヤはそう言い…心の中ですぐに訂正する。

 今、この時ソウヤに言葉を発しているのは怨念だ。
 ソウヤと戦闘し、死んだ者の魂は黄泉へと行けずソウヤの“亡霊解放”の中で閉じ込められることになる。
 だから、今現在ソウヤに言葉を発しているのはミカエルの魂。

 “巨剣使い”、いや“剣神”となったソウヤの、逃れられぬ罰だ。

「…すまない、せめて安らかに“生きてくれ”」

 そう言い、ソウヤはミカエルの魂を閉じ込める。

 一つため息をつきソウヤは周りを見渡してみると、周りの仲間達も大概の天使を倒し終わっているところだった。
 と言いつつ、その周りとは“1q”ほど離れているのだが。


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