第4章
2節―変わらぬ仲間―
恋する乙女が夢見るは――
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る天使の男。
特徴的なのは三体六枚の翼と、流れるような赤いマント…そして異常なほどに整えられた身体だ。
「我が主はそろそろこの“茶番”に飽きていらっしゃる。故に我…『死の天使』の名を持つミカエルがお主たちに命運を渡そう」
「…にしては随分と有象無象を引き連れてるじゃないか、ミカエル」
ミカエルの後ろに飛翔しているのは、一目で軽く1万を超える天使の軍団。
どれも権天使以下ばかりだが、それでもこれほどの量になれば裁くのも一苦労どころではない。
「…これは、ヤバいな」
「大人しく降伏しろ、さすればソウヤ1人の命だけで済むぞ」
仲間の命か、自分の命か。
その2択を迫るミカエルの言葉に、ソウヤは笑う。
「俺はまだ伝えたい言葉が一杯あるんだ。残念だが俺はまだ死ねない――」
ソウヤはミカエルに中指を立てると、獰猛な笑みを浮かべて挑発した。
「――やりたいこと全部終わったなら、殺されてやるよ」
「承知した」
ミカエルのその返答が当たり前かのように流すと、右手を大きく上に振り上げた。
攻撃が来ると即座に判断したソウヤは、後ろの仲間に目配せを一瞬だけ交わす。
「全天使よ、この下等な生物共を…殺せ」
「頼むぞッ!」
ミカエルの指示を受け、天使が大声を上げて一斉にソウヤ達に向かっていく。
それから逃げるようにソウヤは仲間を盾に後ろに下がった。
「敵前逃亡とは堕ちたものだな、人間――」
「――“偽・全て飲み込む雷神の一撃”!!」
唐突にエレンが放った凄まじい雷光が全てを飲み込み、突撃した天使を大半を消滅させる。
あまりの威力に、ミカエルは驚く。
―これはもう神力こそ纏っていないものの、『神級能力』と言っても遜色ない…!これが対魔王を想定した『申し子』の強さだとでもいうのか!?
ただの天使だけでは押し切れないと判断したミカエルは、右手にレイピアを創り出すと自ら先陣を切って突撃する。
圧倒的な速度で、刹那の間に7人の元に現れたミカエルは一番近くにいたルリにレイピアを突く。
「くっ…!?」
あまりの速度で、流石にルリでも完全に反応できなかったのか何とか攻撃を避けるものの、大きく態勢を崩した。
その隙を逃さずミカエルは追い打ちをかけるようにもう片方の手にレイピアを創り出し攻撃を放ち――
「っらぁ!!」
――何かに大きく吹き飛ばされた。
「な…んだ!」
攻撃を受け止め、尚且つ熾天使である自身を大きく吹き飛ばした原因をミカエルは探し、一瞬で見つける。
「人間、お前か!」
「流石に…本気を出すしかないと思ってな」
巨剣を片手で担ぎ、
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