第4章
2節―変わらぬ仲間―
恋する乙女が夢見るは――
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「…久しぶりだな、ルリ、ルビ」
「ソウ…ヤ、さん……」
「ソ、ウヤ…」
ルリとルビが恐る恐る振り返り、ソウヤの方を向き…その表情を見て驚く。
彼の表情は気まずそうでもなく嫌っている雰囲気もない。
ただ、久しぶりに会えた仲間との再会を心から喜んでいる表情だった。
「悪かったな、心配かけて。俺はもう大丈夫だ、心配すんな」
「心配なんて!逆に私の方が、ソウヤさんに迷惑を…」
「ごめん…なさい、ソウヤ」
苦しそうな表情で謝る2人に、ソウヤは小さく息を吐く。
あまりに頑固で、あまりに優しくて…あまりにお人よしな2人。
―だからこそ、俺が何よりも最低だった。
自分のことでいっぱいになってて、この苦しみを他の人と分かち合おうとしなくて、ただ自分で背負うだけ背負って爆発した。
他人の迷惑にならないようにと、そう考えて行動した結果がこれ。
―俺に恋をしてくれた、俺を好きになってくれた人に、最もしてはならないことをしてしまった。
告白に対する返答が、精神疲労で倒れる。
それは告白した側にとって、もっとも傷付く行為だ。
「謝らないでくれ、俺が悪かったんだ。周りを頼ろうとしない、俺が」
だから、俺は決意した。
本当の意味で“後悔しない”ように努力すると。
それは周りを信頼するということであり、過ちを繰り返さないということだ。
「すまない、2人とも。最低な形で返答してしまって」
「ソウヤさん…」
「ソウ、ヤ…」
「だから――」
ソウヤは謝罪するために下げていた頭を上げると、真剣な表情でルリとルビの瞳を見る。
「――だから、チャンスをくれないか。ちゃんと返答出来るチャンスを」
「――――」
2人が息をのむのがソウヤにはわかった。
きっとルリ達の中ではもう、2度とこの話題を口にする気はなかったのだろう。
それで気持ちがいつか晴れるというのなら、それでもソウヤは良かったのである。
けれど、そうならないことをソウヤが最も良く分かっていた。
このまま放置してしまったら、きっと一生の傷として、2人の心の中にあり続けるだろう。
それだけは許してはいけない、それだけはあってはならない。
だから、今この場でソウヤは2人に謝るのだ。
「ルビ、ルリ…。すま――」
殺気。
ソウヤ含め8人がそれを感じ、瞬時に得物を引き抜き殺気の元部分に振り返った。
「流石は『申し子』と『均等破壊』…といったところか。反応が早いな」
「誰だってそれだけの殺気向けられれば、振り向かざるを得ないだろうよ…“熾天使”!」
濃密な殺気を向けているのは、“9つの金輪”を腕に嵌めてい
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