第4章
2節―変わらぬ仲間―
交わした約束
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と、不敵な笑みを浮かべる。
「小生は、侍でござるからね」
「…あぁ、行って来い!」
そうして、ソウヤはこの神域から消えた。
吐き気。
腹痛。
頭痛。
酸素不足。
息切れ。
動悸。
筋肉痛。
骨の軋み。
ありとあらゆる痛みが瞬間、ソウヤを襲い掛かる。
「っ!ッ…!ぁ…ッ…ぐぁっ…!!!」
声にならない痛みに、体中が沸騰したかのように熱くなるのを感じた。
これまで感じてきたどの痛みよりも、直接的で激しい痛み。
あまりの痛みにソウヤは指一本動かすことも出来ない。
「大丈夫か、ソウヤ!」
心配そうに叫ぶエレンの声が聞こえるが、それすらも反応できない程の痛み。
瞳孔が限界まで開かれ、口から泡が吹き出し、体が一定に跳ねつづけた。
これは無理やり“すべて拒否する力”の力で神域に入った罰。
生物からかけ離れた力を持つとはいえ、それでも神が支配する領域に入ったことで体中が拒否反応を起こしているのだ。
「あんたったら、本当にこんな無茶して…!」
レーヌが呆れた声で呟きながら、ソウヤに医療を始める。
正直、ただの水魔法による治療は全く効果が無く、多少痛みが安らぐ程度だ。
けれどそれでソウヤは十分である。
「ずっと。痛く、て…苦し……くて、辛かった…け、ど」
『試練』に入った瞬間から、ソウヤはこの痛みと気持ち悪さを身に受けていたが、それでも耐えて話し切って見せた。
難易度的に言えば、“最果ての宮”の100層をクリアするより難しかったようにソウヤは感じる。
「それで、も…。後、悔…したく、な……い」
「あぁ、もう分かってるから黙っとけよソウヤ!」
心配しすぎて苛立ってるのだろう、ナミルの声がいつも以上に荒々しかった。
凄まじい地獄を味わいながらもソウヤは感じざるを得ない。
―良い仲間を持ったな…俺。
そんなことを考えながら、ソウヤは意識を闇へと投げ出した。
「貴女がいなければ」
そう言う母の瞳は酷く悪意と憎悪に呑まれていた。
いつもなら、その瞳に見つめられただけで私は竦みあがり逃げ出していただろう。
“よく思い出せ、誰に母がお前を憎んでいたと言われた?”
彼の言葉をもう一度思い出し、私が母を憎む原因となった者を思い出す。
「母さん」
「――――――」
ただ、怨念を瞳に宿し私に手を差し伸べていた母が…硬直する。
いつもとは完全に違う反応に、母は動揺を隠せず狼狽した。
「私を産んでくれてありがとう」
「――――――」
もう、私の中には“憎悪に満ちた瞳”は映らない。
「私を育ててくれてあり
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