暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
2節―変わらぬ仲間―
救世主を誓う戦友たち
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跳躍していた力が無くなり、ソウヤは重力に体を引かれ地面に一直線に落ちていく。
 それに気付いたエレンが慌てて落ちていくソウヤの身体を支えた。

「大丈夫なのか、ソウヤ?」
「あぁ、ちょっと疲れただけだ」

 ソウヤの言葉に安心し、エレンはため息をついてゆっくりと地面に降りていく。

「なぁ、ソウヤ」
「ん?なんだ」

 落下している中、エレンはソウヤに問いかける。
 ソウヤにはその顔が、少し儚げに見えた。

「私は…人々を救えただろうか」

 思った通りの問いかけで、ソウヤは思わず吹き出す。
 それを見たエレンは顔を真っ赤にして「人が真面目に話しているのに!」と憤慨してしまう。

「悪い悪い、ついおかしくってな」
「何がおかしい」

 本当にへそを曲げてしまったエレンに、ソウヤは地面に視線を向ける。
 そこには、今も変わらず存在し続ける街が…生き続ける民の姿があった。

「これを見て、救えないなんていうなよ。お前は俺と違って、ちゃんと救えてる。大丈夫だよ」
「ソウヤ、お前も…!」

 救えている、と言いかけたエレンの口をソウヤは指で塞ぐ。

「俺はもう後悔したくない、そんな思いがあるから戦うんだ。お前は違うのか?」
「あぁ、合っているよ。私も出来るならこの世界の人々、全てを救いたいから戦っている」

 「なら出来るさ」とソウヤは笑うと、近づいてきた地面に着地する。
 先ほどの戦いを離れて見ていた2人を見て、ソウヤは笑った。

「だって、1人じゃない。そうだろ?」
「――――」
「天使でさえも惑わせられる魔法使いが、天使でさえも殴り負ける戦士が、天使でさえも誇りで負ける騎士が――」

 ソウヤはエレンに振り向くと、「そして」と手を伸ばすと不敵に笑う。

「――神さえ殺す、俺がいるんだ。4人もいる。それに、まだこれで全員じゃない」
「あぁ、そうだ…そうだった、な」
「だから心配するなよ。もう失わせない。その為に、俺たちがいる」

 エレンは嬉しそうに微笑むと、ソウヤの手を取る。

「あぁ、救おう“全てを”」

 その為に、強くなったのだから。
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