第4章
2節―変わらぬ仲間―
救世主を誓う戦友たち
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
跳躍していた力が無くなり、ソウヤは重力に体を引かれ地面に一直線に落ちていく。
それに気付いたエレンが慌てて落ちていくソウヤの身体を支えた。
「大丈夫なのか、ソウヤ?」
「あぁ、ちょっと疲れただけだ」
ソウヤの言葉に安心し、エレンはため息をついてゆっくりと地面に降りていく。
「なぁ、ソウヤ」
「ん?なんだ」
落下している中、エレンはソウヤに問いかける。
ソウヤにはその顔が、少し儚げに見えた。
「私は…人々を救えただろうか」
思った通りの問いかけで、ソウヤは思わず吹き出す。
それを見たエレンは顔を真っ赤にして「人が真面目に話しているのに!」と憤慨してしまう。
「悪い悪い、ついおかしくってな」
「何がおかしい」
本当にへそを曲げてしまったエレンに、ソウヤは地面に視線を向ける。
そこには、今も変わらず存在し続ける街が…生き続ける民の姿があった。
「これを見て、救えないなんていうなよ。お前は俺と違って、ちゃんと救えてる。大丈夫だよ」
「ソウヤ、お前も…!」
救えている、と言いかけたエレンの口をソウヤは指で塞ぐ。
「俺はもう後悔したくない、そんな思いがあるから戦うんだ。お前は違うのか?」
「あぁ、合っているよ。私も出来るならこの世界の人々、全てを救いたいから戦っている」
「なら出来るさ」とソウヤは笑うと、近づいてきた地面に着地する。
先ほどの戦いを離れて見ていた2人を見て、ソウヤは笑った。
「だって、1人じゃない。そうだろ?」
「――――」
「天使でさえも惑わせられる魔法使いが、天使でさえも殴り負ける戦士が、天使でさえも誇りで負ける騎士が――」
ソウヤはエレンに振り向くと、「そして」と手を伸ばすと不敵に笑う。
「――神さえ殺す、俺がいるんだ。4人もいる。それに、まだこれで全員じゃない」
「あぁ、そうだ…そうだった、な」
「だから心配するなよ。もう失わせない。その為に、俺たちがいる」
エレンは嬉しそうに微笑むと、ソウヤの手を取る。
「あぁ、救おう“全てを”」
その為に、強くなったのだから。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ