暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
2節―変わらぬ仲間―
英雄と狂鬼の剣戟
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があった。
 そのどちらも正しく、尊ぶべき考え。

 けれどレーヌは、今回はナミルの方を応援したかった。

「ソウヤ、お前はいつまで“お前が勝つ前提で”話を進めるんだ!?あぁッ!?」
「――――ッ!?」

 頑固で自身の言葉を変えようとしなかったソウヤは、そこでやっと…本当にやっと理解する。

 ――ただ、自分が彼女らより上なのだと…調子に乗っていたのだと。

偽・全て(アグニ)()化する火神の魔装(フェイクション)――!!」
「なッ…!?」

 一瞬。
 ソウヤは気付けば自身が死ぬ寸前まで来ていると気付き、雪無を巨剣化し降り注ぐ炎の嵐を防ごうと身構え――

「…お前の勝ちだよ、ナミル。お前の思いを汲み取らなかった、俺が悪かった」

 ――巨剣化した雪無が地面に突き刺さり、ソウヤの敗北が決定した。

 炎の魔装を着込むナミルはその言葉に満足気に笑うと、炎を消散させソウヤの首元へ置いた大剣を鞘に戻す。

 先ほどの技は何なのか…と聞きたい気持ちはあったが、それを今は流すとソウヤはナミルに頭を下げた。

「すまない。俺はいつの間にか、仲間を見下してたんだな」
「…気付けばそれでいいさ、許してやるよ」

 「だから」とナミルは言葉を続けると、ソウヤの頭を掴み強引に顔を上げる。
 顔を上げさせられた先には、ナミルの男勝りな笑みが出迎えていた。

「頭下げなくていい。俺たちとお前は仲間だ…そうだろ?」

 前を向け。
 そう言われたソウヤは、本当に良い仲間を持ったと思って笑みが浮かぶ。

「あぁ、助かったよナミル…。俺は強いけれど――」

 どこか憑き物が取れたかのようにソウヤは無邪気に笑い、握り拳をナミルに向けた。
 その意図に気付くとナミルも無邪気に笑って拳を前に突き出す。

「――俺の仲間の方が、もっともっと強かったんだな」
「そうよ。いつまでも私たちは貴方の足かせではないのよ」

 ぶつけ合ったソウヤとナミルの拳に、さらに拳が足される。
 不敵に笑うレーヌは、ソウヤの方を見た。

「確かに、貴方の力は“貰い物”かもしれないわ」
「――――」

 それを聞いて、ソウヤは頷く。
 だが、レーヌは「でも」と続けた。

「それをここまで成長させたのは貴方だし、その力を使って私たちを…世界を救おうとしてくれてるのは貴方よ、ソウヤ」
「…ぁ」

 その言葉に、どれだけソウヤは救われただろうか。
 今まで“借り物”だと思っていた力が、初めて他人にそれは“自分の力”なのだと否定してくれたのだ。
 嬉しくないはずがない。

「その通りだぜソウヤ。お前がその力を“借り物”と言うなら、俺もこの力を“借り物”と呼ばなきゃいけなくなるんだ」

 それ
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