第4章
2節―変わらぬ仲間―
鬼は燃え狂い――
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ぁぁああああああ!」
「…あ?」
唐突に響くのは女性の声。
決して男勝りで、女性からしてみれば大分低い声を持つナミルの声ではない。
もっと、女性らしい声だった。
―俺の集中力を切らしたのはどこのどいつだ?
殴ってやりたいとナミルは思う中、その声は上空から響くのを聞き取る。
超人的な視力で目を凝らせば、そこに現れる黒い点。
それはどんどん大きくなり――
「おい、落ちてくるじゃねぇか!」
――それが空から落ちる人なのだとすぐにナミルは悟る。
理由が何故だかわからないが、落下してくるのならば俺が受け止めるまで…とナミルが意気込む中、更に彼女を困惑させる言葉が響いた。
「ちょぉぉおおお!ソウヤ何とかしなさいよ!!」
「あ?ソウ、ヤ…?」
よく見れば落ちてくる黒い点は2つ。
1つは青い印象を持たせる、恐らくはウォルフであろう女性。
そしてもう1つをナミルは確認し、大きくため息をつき空から視線を落とす。
―あぁ、俺の出番ねぇわこれ。
落下する黒い点を見て、思い至った結果の行動だった。
その数秒後、地面から伝う軽い衝撃をナミルの足が感じた後に、彼の声は響く。
「――っと。すまん、遅れた」
ナミルはもう一度大きくため息をついた。
もう少しマシな出方はないのかと文句を言いたくはあったが、正直それどころではないのは事実。
とりあえず、懐かしき男性に頭一発ぶん殴って気持ちを落ち着かせることにナミルはした。
「っで!?…なんか、デジャヴを感じる」
「毎回毎回、突飛な登場するからでしょ、この馬鹿」
「悪いとは思ってるさ…」と言って、彼――ソウヤは頭を掻く。
1つため息をついてソウヤは、自身から背を向け“天使”の大群に視線を向けたナミルの肩を軽く叩いた。
「ギリギリだったか?」
「――あぁ。大分な」
「でも」と続けるナミルは、大剣を構え研ぎ澄まされた殺意を放出し始める。
その殺意に当てられたソウヤやレーヌといえば、動けないという事態もなく何の変化もないようだ。
人々は何故、と驚く。
一騎当千の強者であれ、彼女の殺意に当てられたものは動けなくなると知っているからだ。
それでも彼らは、多少の驚きはあっても動けなくなるということは無い。
「んじゃまぁ、始めるか」
「はぁ…。じゃあ適当に私はサポートしとくわね?」
「あぁ、頼むぜ」
軽く言って笑い合う彼らは、次の瞬間誰もが声を失うほどの殺意を放つ。
何故も糞もなかった。
彼らがただ単純にナミルと同等、男性に至ってはそれ以上の殺意を放てるだけだったのだから。
初めて“天使”が手を組み、1つの首都を潰そうとしたそ
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