暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
1節―変わった世界―
ソウヤがやるべきこと
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べ出来る魔物や魔族がいるのだろうか。

 最低ラインは“鎖”によるカンストなのだから笑えない。

 ―こうなると、“最果ての宮”が欲しいなぁ。

 あれだけ出たがっていたのに、出たら出たで戻りたいとはどういう了見だ。
 そう昔の自分に言われそうでソウヤは苦笑する。
 ここまで考えた結果、ソウヤとしては行動の計画は立てられないことが判明した。

 と、なるとだ――

「エミア、俺はどうすればいい?」

 ――他人に聞くのが一番手っ取り早いだろう。

 自分では無理なら他人に何とかして貰う。
 何とも格好はつかないが、こればかりは本当にどうしようもないので仕方ない。

 ソウヤに問われたエミアは、それを聞いて相手の心情を大体把握する。
 動きたくても勝手に動けないのだ、と。

「そうですね…。ソウヤさんは、まず天使を蹴散らしていってくれれば問題ないです」
「…?それはどういう?」

 なにをしたいのかはっきりしないソウヤは、エミアの言葉を十全に把握できない。
 それもエミアは分かっているのか、「いいですか」と言葉を続ける。

「ウィレクスラが天使を大規模に動かしているのは、ソウヤさんを探したいからなのです」
「――。あぁ、なるほど」

 そこまで言われ、ソウヤはすぐにやりたいことを察する。
 元々頭は良い方だったソウヤは、こうやって少し背中を押すだけですんなりと自身で吸収し理解できた。
 それを元の世界で普通にできたのなら、今こうしていないのだろうが。

「つまり、俺が天使を片っ端から倒すことで俺自身も強くなれるし」
「ウィレスクラもソウヤさんに気付き、大量に戦力を“ソウヤさんに向けて”解き放つのです」

 ウィレスクラは初めから、ソウヤ以外の誰も見ていない。
 だから『試練』を行うことで“神の偽力”を得ているエレン達に対して何もしないし、そもそもその原因である“聖女の泉”も破壊しようとしないのだ。

 何故なら、全生物の中で“神殺し”を行えるのがソウヤだけだから。

 なんだかんだ言って、ウィレスクラは入念らしい。
 “巨剣使い”だったころまでは、“神殺し”なぞ到底無理だと決め込んでいたのか、何も手出しはしなかった。
 だが、“剣神”となり“神殺し”の可能性が出た瞬間邪魔してきたのである。

 その性格を突く訳だ。

「ソウヤさんはこの大陸の天使は全て対処したのですか?」
「あぁ、当然だ」

 さも当然かのようにソウヤは言うと、エミアは顔を緩ませる。
 それを見て、ソウヤも微笑んだ。

 エミアは王女だ。
 ソウヤは聞いていないが、元々統治していたはずのミラジュの姿が見えない。
 つまり、今現在この大陸を纏めているのはエミアだけだ。

 王女と
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