第4章
1節―変わった世界―
エルフの王女との再会
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ミアはそれを聞くと安堵のため息をつき――
「エルフ大陸、その統治を一時とはいえ任されている王女として、感謝を」
見惚れる動きでソウヤに感謝の意を示した。
それを見たソウヤは、目をつむる。
「…俺が目覚めてから最初に見た町は、ちょうど天使に壊滅状態にさせられていた」
「――――」
急に語りだすソウヤ。
しかし、それをエミアは止めようとせず、逆に真剣な表情で受け止めようとしていた。
「天使は即座に殺したが…町のほとんどの人が死んだ。あと少し早ければ、助けられたのかもしれない」
「でも、全員は死ななかった…そうなのですよね?」
エミアの静かな問いにソウヤは頷く。
「だが、それでも遅れたのは俺のせいだ。そう自責していた時、一人の男性に殴られた」
一瞬で天使を殺すほどの力を持つ青年を殴る。
それはどれだけ勇気のいることなのか、ソウヤにはわからない。
「そして、頼まれたんだ。他の奴らも救ってほしい、元凶となったやつをぶん殴ってくれ…ってな」
「お優しい、人だったのですね」
きっと、優しいなんてレベルじゃない。
家族が死んで、きっとこれ以上ないくらいソウヤを殺したかっただろう。
――それと同時に、何もできない自分の弱さを殴り殺したかっただろう。
「だから、俺は助けた。それだけは、間違えないでくれ」
「…はい」
だからこそソウヤは、その男性の覚悟を無駄にしたくはなかった。
「…では、その“元凶”について、ソウヤさんはどこまで?」
「この世界はこうしたのは、ウィレスクラ。“現”世界神」
「町を襲っていたのは?」
「ウィレスクラ側の天使…としか」
すると、エミアは部屋の中にある箱の中からとある物を取り出し、ソウヤに見せる。
「これが何を意味しているのか…は?」
「天使が着けていたもの?意味が…あるか、やっぱり」
「はい」と頷くエミアは両手にその“黄金の腕輪”を持った。
「この黄金の腕輪が1つの天使は、“天使”」
「2つだと、“大天使”…か?」
「はい、そうなるのです」
そうなるならば、ソウヤにもわかった。
天使には9つの階級がある。
下から、“天使”“大天使”“権天使”“能天使”“力天使”“主天使”“座天使”“智天使”。
そして最上位に位置する、“熾天使”。
「ソウヤさんは、最高で何個同時につけた天使と相対したのですか?」
「…3つ、権天使だ」
黄金の腕輪を3つつけた…つまり権天使との戦いは、ソウヤもある程度の苦戦を強いられた。
負けるのではなく、“勝ちにくい”のである。
生き残ることに徹底していた天使なのか、どれだけ攻撃しても避けられ防御されてしまっていた。
ま
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