暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
1節―変わった世界―
エルフの王女との再会
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均等破壊』のソウヤ。
その名を聞いた瞬間、周りの兵士たちの表情が驚きへ一転する。

敵であるか、味方であるか判断できない。
そんな雰囲気が兵士たちの間から流れだし、足止めされるかと思い始めたソウヤ。
だが、その流れを壊す者がいた。

「…ソウヤさん、なのですか?」

 1つに束ねた黄緑色の艶やかな髪に、エルフでは一握りの者しか持たない赤い瞳。
 一目見れば誰もが美しいと感じ、そしてその次に感じるのは可愛らしさ。
 ソウヤは2年でも対して変わらない女性に、誰かすぐに思い至り名前を口にする。

「エミア…様、ですか」
「えぇ、お久しぶり…いえ、“貴方にとっては”久しぶりですね」

 ―貴方にとっては…か。

 そこでふと思い出す、夢の話。
 俺と“俺”が面を向かい合い、互いに進むと決めた内の話。

「私を目覚めさせてくれたのは、エミア様だったのですね」
「“元々そのつもり”でした」

 意味深に喋るエミアに、ソウヤはこの場で離せないことを理解する。
 急に押し黙ったソウヤにエミアは頷くと、兵士たちを元の警戒へ下がらせた。

「ついてきてください、大事な…大事なお話があります」
「はっ」

 ソウヤは会釈をすると、前を進むエミアの後ろをついていく。
 堂々と歩むエミアの姿は到底、2年前とは違って見えた。




「まず、ソウヤさんには現状の説明をしなければならないのです」
「お願いいたします、エミア様」

 至極当然のようにとってつけたような敬語を話すソウヤに、エミアはクスリと笑う。

「今は私とソウヤさんだけなのですよ」
「…あぁ、わかった。固っ苦しいのはやめよう」

 エミアも気付けばいつもの「〜のです」に戻っているし、大丈夫だろうとソウヤは思う。
 それを聞いて、エミアはクスリと笑った。

「ふふ、ソウヤさんは敬語が下手くそなので、固くも苦しくもなさそうなのです」
「えっ…?」

 まさかそこまで言われると思ってなかったのか、ソウヤには珍しく呆けた顔を見せる。
 だが、ですますを入れただけで敬語と言われてもそれはそれでおかしいのだが。

「さて、では現状がどうなっているのか…説明とするのです」
「……あぁ、頼む」

 常にニコニコと笑うエミアに、ソウヤも扱いがわからずタジタジだ。
 だが、現状の話となった瞬間にエミアの顔から笑顔が消える。

「ソウヤさんは、この数日間にこのエルフの大陸の9割方の町村を救った…ので宜しいのですか?」
「…それであっている。流石に伝わっている、か」

 エルフの大陸の町村のうち、その3分の1ほどが天使による破壊を受けており、壊滅状態だった。
 ソウヤが救えたのは残りの3分の2のみだけである。
 だが、エ
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