暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第4章
1節―変わった世界―
帰還
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か?」

 コクリと青年は小さく頷く。
 ソウヤはそれだけ確認すると、雪無を取り出した。

「…ッ!?」

 青年の顔が絶望に染まる。
 何を勘違いしているのだろうかとソウヤは考え、雪無から傷を治す水を出現させた。
 それを使い青年の傷を治したソウヤは雪無を鞘に戻す。

「痛いところは?」
「い、いえ…大丈夫です」

 びっくり仰天したような顔でソウヤを見る青年。
 ソウヤは右手を青年に差し伸べる。

「立て、とにかく生きてる人がいるか確認するからな」
「は…はい」

 状況を掴めない青年だが、とりあえずソウヤに従うことにしたようだ。
 ソウヤの手を取り立ち上がる。
 そして、青年は何かを決意した顔でソウヤに問う。

「あの、貴方は…ソウヤさん……なんですか?」
「――あぁ、そうだ」

 青年に軽く答えるソウヤは、背を向け歩き始める。
 それに青年は付いて行く。

「…お前たちの知る、ソウヤは居ないがな」

 そんなソウヤの呟きを、知る余地もなく。
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